ラテラルシンキングというキーワードは、今から約40年ほど前に、
日本には「水平思考」という言葉で紹介されています。
ロジカルに深堀して考える思考法に対して、独創的なアイディアを生むために、
これまでとは違った視点でモノゴトを拡げて考えていく思考法です。
これまでに発想技法で述べてきた技術も広い意味でラテラルシンキングに
類するものと言っても良いでしょう。
その考え方をマーケティングに当てはめて手順を明確に示したのが、
かの有名なコトラー先生です。
やはり、コトラー先生も「マーケティングマネジメント」などで述べた
ロジカルなアプローチだけでは十分ではないと感じたのではないでしょうか?
ということで、発想技術25選の最後を飾るのは、、、
【Tech.25】 ラテラル・マーケティング
この技法は、マーケティングの中でも特に既存商品・サービスをもとに、
新しいコンセプトを生み出す手法と言えそうです。
そして、重要なのはコトラーは明確な手順を示しているところだと思います。
その手順とは、
■ ステップ1 対象を絞る
まず、既存製品を分析して、変革の対象を絞るところからスタートします。
その既存製品の分析にあたって、大きく下記の視点から、
既存製品の特性を明らかにしましょう。
(1)市場
・ニーズ/効用
・ターゲット
・時間
・場所
・状況
・経験
(2)製品
・有形の製品/サービス
・パッケージング
・ブランド特性
・用途/購入
(3)その他
・価格
・チャネル
・プロモーション
コトラーは、このようにフレームワーク化するのが得意ですね。
この視点を使って、弊社が提供している「マーケティング・カレッジ」を
分析してみることにします。
そして、これらのなかから、どこかのパーツを変革することで
新しいコンセプトが生み出せそうなポイントのアタリをつけます。
このあたりは日ごろから情報を敏感にキャッチしておくアンテナが必要ですね。
■ ステップ2 水平移動
次のステップでは、そのアタリをつけたポイントにおいて、
水平移動を行います。
水平移動とは、その変革ポイントを全く異なる特性に入替えを行うことです。
そういう意味では、以前ご説明した「アトリビュート・リスティング」に
近い作業を行うことになります。
「マーケティング・カレッジ」の各特性を水平移動してみましょう。
通常は、変革ポイントに絞って、水平移動をしますが、
ここでは、ひと通り水平移動をさせてみます。
その水平移動の仕方も提示してくれています。
下記、6つの水平移動方法をうまく使いこなして下さい。
ここでも、以前ご説明した「オズボーンのチェックリスト法」や
「SCAMPER」などを用いてもいいですね。
【ご参照】発想技術25選(7)〜入替えて発想する
■ ステップ3 ギャップを埋める
どこか一部分を水平移動させると、全体のバランスが崩れますね。
例えば、プロモーションを「検索エンジン広告」に頼っていたのを、
「クチコミ中心」にしようと水平移動させた場合、
カレッジのコンテンツはもっと多くの方に関心を持ってもらうものに
変えなければならないかもしれません。
料金ももっと低価格にして、多くの方に来場いただいた方が良さそうです。
つまり、プロモーションを変えると決めると、それ以外の特性も入替えて
全体が整合するセミナーを企画することが求められるはずです。
そうやって、全く新しいセミナーを企画することができそうですね。
実は、それが「家弓正彦の仕事塾」だったりします。(^^)
■ 総括
つまり、ラテラルマーケティングは、アトリビュート・リスティングの手法を
マーケティングを対象として、その手順や手法を具体的に示したものです。
新商品企画や新プロモーションプランを考える時など、
この手法を使ってみてはどうでしょうか?
全く新しい斬新なプランが生まれるかもしれませんよ。
株式会社シナプス 代表取締役 家弓正彦
Twitter : http://twitter.com/Kayumi
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