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前回、意識変革のフレームワークについてお話ししました。

しかし、、、

現実に、強制ギブスをつけても自力で意識を変えるのは難しいですよね。
そこで、今回は「他の材料を使って、発想を飛ばす」やり方をご紹介します。


【Tech.15】サーチ・アンド・リアプライ

野口悠紀雄さんは、超発想法のなかで、
「模倣なくして創造なし」と言いきっています。

コペルニクスは当時主流だった天動説に対し、地動説を唱えたことで有名です。
しかし、地動説は決して彼が初めてクチにしたわけではなく、
他者の研究をサーチした結果、地動説を完成させていったようです。

そこで、様々な視点で他者の知恵をうまく借りて、
自分の発想に利用する考え方がこの「サーチ・アンド・リアプライ」です。

その時に、まず以下の論点で参考になりそうな知恵を探してみてください。

 (1)この問題と似た問題は誰かがすでに解決していないか?
 (2)別の手法によってこの問題を解決できないだろうか?
 (3)他の企業はどのようにこの問題を解決しただろうか?
 (4)自分自身で過去に同様の問題を解決したことがないか?
 (5)同じような質の問題を抱える分野はあるか?
 (6)自分の持つネットワークで、この問題を解決できないか?

先人は様々な研究や実験をしています。
そこには多くの知見とノウハウが生まれているはずです。
その知恵を借りない手はありません。

実は、これが学問を学ぶ意味合いだと思うのです。
イチから全てを自分で考えることも意義深いところですが、
使える「知恵」は徹底的に活用しましょう。

そんな考え方のひとつが「ベンチマーキング」ですね。
トヨタのカイゼン活動をベンチマークする企業が多いことは有名ですが、
それらの企業は、必ずしも生産ラインにおける生産性向上やコストダウンを
目的としているわけではありません。

そのトヨタのカイゼンのプロセスに参考になる知恵を探しているわけです。

「サーチ・アンド・リアプライ」のうち、「リアプライ」に
重要な意味合いが含まれていると思います。


【Tech.16】フォールス・ルール

これは文字通り「誤ったルール」を適用して、発想を飛ばす考え方です。

例えば、弊社の場合「セミナー事業」を行っていますから、
新しいセミナーの企画アイディアを考えてみましょう。

そこで適用してみるルールは、できるだけ突飛なモノが良いとされます。
ということで、今回適用してみるのは「合コンのルール」。

ま、何と言っても合コンの基本は男女同数ですよね。
個人的には、3名+3名ぐらいが好きです。
全部で8名だと会話グループが4人ずつに分断されやすい。
4名だと、選択肢が限られる、、、あっ、そんなことはどうでもよいですね。

話を戻して、男女同数というルールを適用してみると、、、

うーん、直感的に思いつくのは「出会い系セミナー」。
でも、これじゃ出会いパーティと競合するし、
弊社の取り組みとしてはいかがなものか、、、で、却下。

ならば、、、

3対3ということで、ディベートでもやってみたらどうか?
「3×3ディベート型セミナー」
これならもう少し練れば実現可能となりそうです。(^^)


【Tech.17】ランダム・エントリー

フォールスルールと同じように全く関連のない言葉を用いて発想します。
これは必ずしもルールを考える必要はありません。
そこから連想されるものを発想の材料として、
様々なアイディアを生み出せば良いのです。

また「セミナー企画」をやってみましょう。

今度は「スキューバダイビング」を材料にしてみます。

ダイビングは、バディシステムと言って、2人ひと組で潜ります。
だったら、セミナーでも2人ひと組で演習などを
取り組んでもらってはどうでしょう。

あるいは、ダイビングではいくつかの潜るポイントを
クルーザーでめぐるダイビングクルーズというスタイルがあります。

だったら、ゼミなーでも「セミナークルーズ」なんてどうですか?
いろんな主催者がやっているセミナーを自由に受講できるスタイル。

ま、実現可能性やサービスとしての魅力度は後から考えることとして、
まずはアイディア発想の材料を見つけだすことがポイントですね。

ちなみに、私はダイビングが趣味なので、
好きなダイビングをネタにアイディア発想するのは楽しいですよ。


【Tech.18】クレイジー・ブレスト

ブレインストーミングは、最初のエントリーで紹介しました。
クレイジーブレストは、そのブレストスタイルをとりますが、
議論するテーマを「クレイジーなもの」にすり替えてしまいます。

 <お題>
 できるだけ多くのビジネスマンに、
 どのようにしてマーケティングセミナーを受けてもらうか?

このお題を考えるときに、一部のキーワードを
突拍子もないものに入れ替えて考えます。

 <入替え>
 できるだけ多くの「宇宙人に」
 どのようにして「バンジージャンプ」に挑戦させることができるか?

  クレイジーブレスト

うーん、これは難しいですよね。
言葉の通じない「宇宙人」に、どう考えても拷問にしか見えない
「バンジージャンプ」に挑戦させるのは並大抵のことでななさそうです。

しかし、こうなったらかなり突飛な発想が求められるはず。

そこにいるメンバーみんなでバンジージャンプを飛んで、
楽しそうに笑い、肩をたたき合って称賛しあう。
それを宇宙人が見たら「やってみよう」という気に、、、ならないか(汗)

ま、楽しさ演出をして、それを多くの人に見てもらう。
そんなアイディアが出るかもしれませんね。
懇親会や打ち上げのシーンを映像で撮って、Youtubeで流す、、、
なんてどうですか?


【Tech.19】メタフォリカル・シンキング

これも関連のない比喩、他の分野の問題に例えて、
アイディアを考える手法です。

弊社のセミナーを、
「一流の内容、一流の講師ながら、地味で知名度はいま一つ」
という特性をもっていたとします。

じゃ、それを例えるなら、
---
ゲームとして十分な面白みがあるのに、地味で人気がなかったカーリングが
如何にして注目されるにいたったのか?
---

こんな比喩を使って、何かヒントになるモノがないか探索するのです。


■ 総括

発想を飛ばすのは難しいですね。
そのために、自力だけではなく、他の事象やキーワードをうまく活用することで、
脳の働きに今までなかった電流が走るのが分かると思いますよ。

ただし、この手法で最初に出てくるアイディはあくまで材料で、
実現可能なアイディアに到達するには、
そのあとしっかり改善が必要となることを忘れてはなりませんね。


株式会社シナプス 代表取締役 家弓正彦
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