「ヒトには必ず思考のクセがある」、、、これが発想の限界を生みます。
過去エントリー「なぜヒトは発想が苦手なのか?」にて述べたように、
過去の思考体験が繰り返されることで、思考のクセを生み、
同じような発想のパターンしかできなくなっていくわけです。
であれば、自分の得意とする思考パターンを意識的に変えてみてはどうでしょうか?
今回は、そんなガイドラインとなる技法を5つ紹介します。
【Tech.10】MTBI
MTBI(Myers-Briggs Type Indicator)とは、
ヒトの思考プロセスによる性格診断の手法です。
正確には、日本MBTI協会のWebサイトをご参照ください。
MTBIでは、ヒトの性格を下記の4つの指標ごとに
2つの傾向に分類しています。
そして、ヒトはそのどれかに類型されるとしています。
<MTBIによるタイプ診断>
発想法でこのMTBIを活用することができそうです。
このなかで自分が得意とする態度があるはずです。
これが思考のクセと言えるでしょう。
それを敢えて、異なる思考タイプで考えてみることです。
例えば、決断プロセスでは「思考型」のヒトが、敢えて感情で考えてみる。
普段、慣れていない思考プロセスですから、なかなか難しいかもしれませんが、
感情だけで考えたら、別のモノの見方ができるかもしれませんよ。
【Tech.11】鳥の目、蟻の目、魚の目
モノを見る視点を大まかに3つに分類しています。
おそらく、このなかで自分の得意とする「視点」があるはずですが、
これを敢えて異なる視点に立ってみることをお勧めします。
<3つの視点>
最初は、まず「鳥の目」で広い視点から全体を俯瞰して考えてみる。
そして、今度はグッと部分に絞り込んで、きめ細かく見てみる。
最後に、時間的な変化に着目しながら、考えてみる。
そんなふうに、3つの視点それぞれから考えてみると、
また、新たなモノが見えてくるかもしれません。
【Tech.12】シックス・ハット
思考パターンを6つに分類して、それぞれの思考パターンで考えてみるやり方です。
6つの思考パターンを6色の帽子になぞらえているので「シックス・ハット」。
<6色の帽子の思考>
グループで議論する際に、ファシリテータは、
「それではまず最初に白い帽子をかぶって議論しましょう」
と指示したとします。
そうしたら、メンバーは全員客観的なモノの見方で発言をしなければなりません。
「それでは次に赤い帽子をかぶって下さい」
今度は、一転して直感や感情で考えて発言するわけです。
個々のメンバーには、それぞれ得意な帽子の色があるかもしれません。
しかし、全員が6通りの思考を使い分けて議論するところに意味があるのです。
【Tech.13】立ち位置転換
これも視点の転換を促す考え方です。
<3つの立ち位置>
まず最初に自分の視点に立って考えてみてください。
=>「自分はどうしたら良いのだろうか?」
次に、相手の視点に立ちます。
その際、あたかも自分が相手にとりついて、
相手の目の裏側に入り込んだような気持ちになることが必要です。
うーん、これはイマジネーション力が必要ですね、、、(^^)
=>「自分の提案は、相手の目にどのように映っているんだろう?」
最後に、自分でも相手でもなく、客観的に両者を見ます。
イマジネーションしてほしいのは、今度は幽体離脱して、
自分と相手の両者を、頭上から客観視するような感覚ですね。
=>「この2人はどんな関係にあるんだろう?」
そんな多面的な見方は、ヒトの発想を広げるはずですね。
【Tech.14】交流分析とエゴグラム
交流分析(Transactional Analysis,TA)とは心理学理論ですが、
ヒトの自我状態を分類する考え方です。(詳細はWikipediaを参照して下さい。)
それを演じて異なる思考パターンで発想することができます。
基本は、Parent、Adult、Childの3つに分類され、
さらにそれを5つのキャラクターに分解しています。
<交流分析とエゴグラムの分類>
■ 総括
ここまで示してきたのは、自分の得意とする思考パターンや
キャラクターに固執せず、敢えて自分とは異なる自分を演じて考えることです。
うーん、難しいかもしれませんよね。
しかし、これらは意識変革のためのフレームワークなんです。
いわば、「強制発想養成ギブス」!
自分に欠けている「意識」、「視点」、「思考パターン」を
強制的に強化してみませんか?
株式会社シナプス 代表取締役 家弓正彦
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