これまで「ズラシて考える」と「整理して考える」という技法を紹介しました。
今回は、「論理で考える」技術を紹介したいと思います。
論理で考えるとは、情報の関係性を構造化して、
そこからアイディア発想に繋げると言うものです。
う〜む、わかりにくいですよね。
具体的に技法を紹介しちゃった方が早そうです。
【Tech.06】パーパス・リスト
アイディア発想しなければならないことの「目的」を明確化したうえで、
その目的から、改めて手段を考えることによって、
今まで見えなかったアイディアが見えてくるというもの。
ちょっと事例で紹介しましょう。
<テーマ>
広告のキャッチコピーを考えたい
↓
そもそも何のための広告か?
↓
来店を促したい
↓
だとしたら、コピー以外にも施策がありそう。
↓
先着100名様に粗品進呈のキャンペーン
こんな具合に、そもそも「キャッチコピーを考える」というテーマ自体に
発想の制約が加わっている可能性があります。
その制約を取り払うために、「手段」と「目的」の関係に着目して、
その「目的」に思考の軸を置いて発想を広げていく方法ですね。
そう考えると、目的にもさらにその上位目的があるかもしれません。
手段と目的の関係は、何層にも重なっていることが多いので、
アイディアに詰まったら、さらに上位目的に目を向けるもの有効です。
【Tech.07】ウィッシュフル・シンキング
同じく「目的」に着目した発想法です。
普段の自分の思考のクセが発想の障害になることは、
以前のエントリー「なぜヒトは発想が苦手なのか?」にて述べました。
その障害を取り除くために、
まず「最終的に達成したい目標は何か?」から考えます。
その「最終目標」を軸にとって、一歳の制約を排除し、
とにかく目標を達成するための手段を考えるのです。
そうすると如何に自分が制約に縛られているかわかりますよ。
この「パーパス・リスト」と「ウィッシュフル・シンキング」は
手段と目的という関係性をロジカルに整理して、
その目的を軸として発想を広げる技法ということになります。
それに対し、もうひとつの論理的アプローチは、
「原因」と「結果」という関係を明らかにして、
「結果」を望ましいものにするためのアイディアを考えるやり方があります。
【Tech.08】トヨタ式5W1H
トヨタの「カイゼン(改善)」は有名ですよね。
そこでは常に「なぜ?」「どうして?」を繰り返し、
そこから新たな改善案を生み出していると言われています。
つまり、5回なぜを繰り返すと、
今まで見えなかったモノ見方ができるというわけです。
そして、最後に「How?」を考えて、具体的な解決策を生み出します。
【Tech.09】フッシュボーン・ダイアグラム
これはQA/QC活動などで用いられる技法です。
まず最初に問題点を絞り込み、どこで、どのような原因によって、
その問題が起こっているのかを明らかにすることで発想します。
作成の手順としては、まず原因となりそうな要素のカテゴリーを
大まかに設定して、その具体的な要因をその幹に記述していきます。
そうすると、下記の「魚の骨(フィッシュボーン)」のような
チャートが出来上がります。
前回の「アフィニティダイヤグラム」の技法を用いて、
原因の洗い出しをする作業を行うわけですね。
■ 総括
以上、今回は「論理で発想」というテーマで紹介しましたが、
その論理にも、大きく分解して「目的」と「原因」に分類できます。
特に、問題解決策を発想したい場合などは、
この目的や原因が重要な発想の材料となるわけです。
この軸を持っているだけで、多面的なモノの見方が出来るようになると思います。
是非、試してみてください。
株式会社シナプス 代表取締役 家弓正彦
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【関連エントリー】
発想技術25選(1)〜ズラシの技術
発想技術25選(2)〜発想のために整理せよ
発想技術25選(3)〜論理で発想
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