創造的発想のためには「弛緩」と「緊張」の使い分けがカギだと思うのです。
先般の「家弓正彦の仕事塾」では、クリエイティブシンキングと題して、
発想のための様々な技法を紹介し、体系化しました。
アンケート結果やヒアリングで聞く限り、大変ご満足いただけたようで、
ホッとしております。ありがとうございました。
で、今日は技法のはなしではなくて、発想のための心の持ち様の話。
メンタル面において、発想のためにはどんな状態が望ましいのでしょう?
私の発想プロセスを例にとってお話ししますね。
■ 弛緩した状態での発想
私がアイディア発想するシーンとしては、
圧倒的に移動中が多いように感じています。
ひとつの仕事を終わって、少しリラックスした状態で、
ボーっと何かを考えているとき、、、
そんな時のキーワードレベルでのひらめきが後々具体化されて
ひとつのプランに醸成されていく原点となっています。
つまり、リラックスした状態、ある程度精神的にも弛緩した状態が
発想の原点となるキーワードを創造するのには効果的だと思うのです。
その時は、まだ抽象的で「なんとなくこんな感じ」といったレベルです。
そのアイディアは荒削りで、まだまだ未完成なものですが、
それをしっかり手帳にメモして、あとでゆっくり考えることにしています。
他の方の意見を聞いても、「トイレの中」、「風呂に入っている時」、
「風呂上がり」、「食事をしている時」など、
リラックスが発想に繋がりやすいと感じているヒトは多いようですね。
欧陽脩の故事で「作文三上(さんじょう)」という言葉があります。
これは、文章を考える時には、「馬上、枕上(ちんじょう)、厠上(しじょう)」
という3つのシーンが有効であるという意味だそうで、
アイディア発想に通ずるものがありますね。
つまり、移動中、寝る前、トイレというリラックスした状態が望ましい
と言うことだと思うのです。
■ 集中した状態での発想
しかし、上記のプロセスで発想の原点を思いついたとしても、
それだけでは十分なアイディアにはなっていないことが多いのです。
そこで、一度集中環境で考え抜くことが必要となってきますね。
私は、会議室にひとり閉じこもって、集中して考えることにしています。
以前のエントリーで「生産性を高める方法」を書きましたが、
まさにその状態で、自分にプレッシャーをかけて、
「この一時間でアイディアを出しつくすぞ!」という意気込みで取り組むんです。
【参照】最高の生産性で仕事をこなす方法
このプレッシャーは発想のためには大切です。
ある程度、締め切りを決めて、この間に全てを出しつくすという気力がカギです。
そうすることで、単なるアイディアの断片だったキーワードから、
もっと具体的なアイディアが生まれてきたり、ヌケモレだらけだった
荒削りのアイディアから緻密なプランに結晶化される効果が得られます。
■ 2つの心の持ち方のバランス
この弛緩と緊張をうまく組み合わせることが上手にできると良いですね。
一発でアイディアがまとまらなくても、弛緩、緊張、弛緩、緊張と
うまくこの2つを繰り返していくと、発想は豊かになっていくように感じます。
皆さんも意識的に弛緩、緊張を組み合わせてみてはいかがでしょうか?
株式会社シナプス 代表取締役 家弓正彦
Twitter : http://twitter.com/Kayumi
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