以前のブログで、「悪魔の代弁者」が、
意思決定のプロセスにおいて建設的な役割を果たすことをご説明しました。
【ご参照】あなたは「悪魔の代弁者」になれるか?
→ http://kayumi.jp/archives/902432.html
繰り返すと、悪魔の代弁者とは、提案に対して、
その弱点やリスクを的確に指摘する役回りの人を指します。
その結果、提案を良いものにブラッシュアップすることができます。
つまり、「悪魔」という邪悪なキーワードを使っているものの、
その本質は、善意によって建設的な議論を目的としているわけです。
しかし、その後多方面から様々な意見をいただきました。
問題点指摘をする「悪魔の代弁者」といっても、
必ずしも皆が「建設的な議論」を目的としていないことも多いですよね。
そこで、悪魔の代弁者的な役回りをするヒトをタイプ分類してみました。
マーケターが使いたがる「ポジショニングマップ」を描いてみます。
■ タテ軸 : 賢い ←→ アホ
ま、言葉は悪いですが、あくまでキャラクタの事だと思って下さい。
「カシコキャラ」と「アホキャラ」っていると思うんですよ。
■ ヨコ軸 : 善意 ←→ 悪意
そもそも真意として「よりよい提案」を目的とした善意によるものか?
とにかく「難癖」をつけて、提案を破たんさせようとしているのか?
そんな2軸を使うとこんなかんじ、、、
<タイプ別悪魔の代弁者マップ>
■ タイプ別「悪魔の代弁者」対処法
【タイプ1】真の貢献者
善意に基づいて、論理的かつ客観的にウィークポイントを
的確に指摘してくれる悪魔の代弁者。これが「真の貢献者」ですね。
こんな「真の貢献者」には、積極的に意見を述べてもらいたいものです。
こちらから想定される問題点などを問いかけるなどして、
提案のブラッシュアップに貢献してもらいましょう。
ここでは「質問で意見を引き出すチカラ」が問われるはずです。
質問力については、こちらが詳しいです。
【ご参照】質問するチカラ(3) 〜問い掛けの技術
→ http://kayumi.jp/archives/792441.html
【タイプ2】素朴な質問者
知識として精通しているわけではないし、話の本質を100%理解しているわけでもない、
でも、そんな立場だからこそ、「そもそも、、、」の素朴な疑問を提起してくる、、、
こんなタイプの方、時々いますよね?
なかには、賢くてもアホキャラを演じるしたたか者もいるようです。(^^)
自分の考え方が偏った前提を置いていたり、一般通念に囚われていたり、、、
そんなことって意外と多いものです。
「素朴な質問」は、とても有用な問題提起をしてくれることがあります。
素朴な質問者には、積極的に問いかける必要はありませんが、
真摯に耳を傾ける必要がありそうですね。
【タイプ3】抵抗勢力の脅威
論理的に言っていることは決して間違っていないのですが、
基本的に提案をツブしにかかっている、、、
最初から、そんな意図を持って問題指摘をするヒトもいるでしょう。
抵抗勢力の目的は「提案ツブシ」ですから、その場での議論は避け、
まずは指摘を聞き入れることに専念したほうが良さそうですね。
抵抗勢力の争点を聞くだけ聞いて、一旦引き取ると良いと思うのです。
そして、じっくりそれに対抗する改善策を立案し、最終意思決定権者に
再提案の機会を得ることが得策でしょうね。
【タイプ4】単なる反対分子
言っていることは、決して論理的ではないし、反対理由も明確にはできない。
ただ、声の大きさで、提案を潰そうとしている「反対分子」も存在します。
そんな場合は、「前例がない」とか「自己の立場」を主張するケースが多いようです。
正当な理由をもって反対分子を抑えることができるのであれば、
早めに対処しておいた方がよさそうです。
しかしながら、まっとうに相手をするのも時間のムダですから、
無用に時間とエネルギーを費やす必要はなさそうですね。
場を改めて、意思決定権者と意思のすり合わせをした方が良いでしょう。
■ 意思決定後の実行フェーズを考えて、、、
上記「抵抗勢力の脅威」と「単なる反対分子」をうまく抑え込んだとしても、
現実に提案を実行する段階となると、
彼らの協力を取り付けなければならないこともあるでしょう。
そんなことを考えると、一方的に反対を抑え込んでも解決にはなりませんよね。
「ネゴ」、「根回し」、、、
あまり良い印象ではありませんが、そんな社内政治力もうまく活用して、
立ち回ることも必要となる時があるはずです。
社内政治力については、ココをご参照ください。
【ご参照】社内政治を前向きに取り組む方法
→ http://kayumi.jp/archives/834649.html
ビジネスには「したたかさ」も必要ですね〜(笑)
株式会社シナプス 代表取締役 家弓正彦
Follow me ! → http://twitter.com/Kayumi
【関連エントリー】
・最良の意思決定をする
・意思決定には選択肢を持つべし!
・意思決定の4つの基本ステップ
・あなたは「悪魔の代弁者」になれるか?
・「直感」で「意思決定」することについて
「意思決定を深く理解したい方はこちら」
コメント
コメント一覧
ビジネスにはしたたかさが必要、というお言葉、最近も仕事上シンクロすることがあったので身にしみました(3年前、家弓さんのグロービスコース終了後に転職してからそのままです)。
たまたま私のこれまでの職環境が恵まれていたのか?そういった政治的な事前活動なしでも企画を通してこれましたが、ここ数年はそういった動きも必要だということを認識する日々です。ポジショニングマップの切り方も笑えました。まさにそのとおり!と。
これからも家弓さんのお言葉、仕事に活かさせて頂きます。
初めまして
これまでの記事を拝見させていただきました
ものすごく勉強になり自己反省することが出来ました
(ありがとうございます)
twitterの@mccplus/bookmarkというリストの中で此処を知った次第です
ご迷惑でなければこちらのHPを私の日記系BLOGにリンクさせていただいてもよろしいでしょうか?
メールアドレスを入れておきます
大変ご無沙汰しております。
コメント、ありがとうございました。
こうやって近況を聞けるのは嬉しいですね。
「したたかさ」、、、
あくまで、正当な目的を達成するには、
したたかな手段も使えるものは何でも使う!
そんな執着心を持って、ビジネスには取り組みたいものです。
ま、これって自分に言い聞かせているんですけどね!(^^)
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
Kay
コメントいただき、どうもありがとうございます。
Blogも拝見しました。
きれいな写真で、癒されますね〜。
もちろん、リンクは大歓迎です。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
Kay
うわっ、単なる反乱分子だ・・・(笑
当社のような(極めて珍しい)フラット組織だと結局最終意思決定者(ネゴ先)が役員になってしまうんですよね。
確かに正しい判断を推進する上で、抵抗者を抑えこむのに役員を使うのが一番早いのですが
個人的にはその切り札を安易に使うのは
自分の成長にならない・・・かと言って、並列に並ぶ人達と議論をしていくと反乱分子になってしまう。。。
組織ってホント難しいですね。。。
「自分の成長」を優先するか、
「自分の提案を通すこと」を優先するか、、、ですね。
ま、どちらも大切なことがだと思うので、
優先順位は本人次第だと思いますよ。
ただ、Tさんは、御社のなかでは「理屈っぽい抵抗勢力」という
ポジションのように見えますが、、、笑
(じ、冗談と本音、半々ですから、、、汗)
Kay
Kay
やはり大前提が「粗方正しい方向」に向かっていることが重要でしょうね。
大前提の提案そのものがそもそも間違っていて、それに逆提案をしたところで全体から「難癖付けられた」としたならば、正しい形って何だろう?ってことにはなってしまい、もしかしたら「アホで悪意」のポジションの人が、案外本当は正しい判断をしている・・・となったりして(笑)
より良い提案だとしても、実際は受け入れないケースもあったりして、本当に複数の人間が物事を決定していく(しかも同列の役職者達)プロセスは大変ですよね・・・。
引き続き「理屈っぽい抵抗勢力」のポジションを狙っていきます(爆)
それがTさんの重要なミッションだと思いますよ!(^^)
Kay