最近、プレゼンテーションにパワーポイントを使うことが一般的になりましたね。
チャートやグラフなどを駆使してビジュアルを活用することで、
聞き手の理解を促すのには有効です。


そして、パワーポイントのアニメーション機能を使う方も増えているようです。
パワーポイントのアニーメーション機能とは、
文字やチャートが飛び出てきたり、動きを持たせる機能です。
確かに、アニメ機能を使うと、スクリーンにダイナミックさが生まれて、
プレゼンが一層引き立つものになる効果が得られそうです。

しかし、意味もなくアニメを使うのは愚の骨頂。
その本質的な効果を理解して、上手に使いこなすことが必要です。

その「アニメーション機能の3つの効果」とは、、、



1.視線を集中させる

アニメの最も多く使われるパターンは、
文字やチャートを話す順番に表示をさせていく方法。

私がよく実施している「プレゼン講座」をイメージして、
アニメの使い方を紹介してみましょう。


----(プレゼン講座シーン)----

<スクリーン上は何も表示されていない状態>

「プレゼンには3つの留意点があります。」

「一つ目は目線ですね」

    一つ目の「1.目線」という文字列を表示
    聞き手は、そこしか見るところが無いため集中!

「そして二つ目は、、、」
(二つ目の表示を追加)

「最後に、、、」
(三つ目を表示させて3点全部が表示される)

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これは、聞き手の視線を集中させる効果があります。
いや、そこに集中せざるを得ないと言った方が的確かもしれませんね。

話をする順に表示させることで、聞き手にそれら一つひとつに
しっかり集中して聴いてもらうことができます。

一般に、聞き手は、好奇心に満ちているので、
話しているポイントより、どんどん先を見に行ってしまうものです。

また、プレゼン資料に情報が盛り沢山になっていると、
聞き手はスクリーンのどこに注目すれば良いか戸惑うことがあります。

そこで、アニメ機能を使うことで、
「今、どこの話をしているか?」「どこに注目してほしいか?」
を明確に示すことが可能となるわけです。



2.意外性を演出する

上手なプレゼンのストーリーには、「意外性」があります。

しかし、通常表示だと、スライドを表示させた瞬間、
そのシートの全体が目に飛び込んでしまうため、
意外性効果は薄らいでしまうんですよね。

そこで、アニメ機能を用いると、
まさに意外性を演出しやすくなると思うのです。

----(プレゼン講座シーン)----

<スクリーンは、プレゼンで陥りやすい過ちが列挙されている>

「ここに述べているように、プレゼンは難しいものです」
「しかし、上手なプレゼンをする際の唯一無比の成功法則があるんです」

    聞き手は、「ん?何だ?」と興味をそそられる

「それは、、、」

    ここで、ちょっとタメる! ← これも演出!

40ポイント以上の大きな文字で、、、

「緊張するな!」

    派手な動きでスライドインさせる
    逆にゆっくりとした動きを使うのも面白い

(聞き手は意外性に「ガクッ」とくる、、、なんてね)

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3.問いかけ、考えさせる

先を見せないことによって、聞き手に問いかけ、
一旦、考えてもらうことができます。

私が「ビジネススキル系」のセミナーを実施する時には、
この手法を良く使います。

----(プレゼン講座シーン)----

「プレゼンの時は、見た目も大切ですよね」

<「見た目は何割ぐらいの影響力を持っているか?」の表示>

「さて、プレゼン時に見た目の第一印象が聞き手に対して、
 どれくらいの影響力を持っていると思いますか?」

「2〜3割ぐらいだと思う人は?」(挙手させる)
「じゃ、5〜6割ぐらいだと思う人?」

「実は、、、」

    円グラフを表示させて、
    見た目の影響が55%占めていることを示す。

「メラビアンの法則では見た目が55%の影響力を持っていると言われます」

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「問いかける」 → 「考えさせる」 → 「回答を示す」
という流れは、聞き手の問題意識を喚起できると共に、
プレゼンの流れにメリハリダイナミズムが生まれます。



<まとめ>

結局、アニメーションは「隠す技術」なんです。

先の情報を隠すことによって
 1.集中効果
 2.意外性効果
 3.問いかけ効果
という3つの効果が生まれるわけです。

これらの効果を上手に使うと、とても有効なプレゼンテーションが
できるようになると思いますよ。


しかし、「むやみにアニメは使わない方が良い」と言う意見も多いようです。
確かに、アニメを多用しすぎると、煩わしさを感じることもありますよね。

集中させるはずが、あまりに動きが多くて目線が踊ってしまう。
画面がいつも動いていて、どこに集中していいかわからなくなる。
スライド全体の印象がなんとなく落ち着かない。


それを防ぐために、私は派手な動きのアニメは使わず、
比較的おとなしい、静かな動きのものを利用するように心がけています。


何事も、過ぎたるはなお及ばざるが如し、、、ですね。


【参照記事】
 シリーズ 「プレゼンを科学する 〜ジョブスに挑戦」
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