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最近TVや新聞などで「はとバス」の話題を目にすることが増えたようです。
ご存知の通り、はドバスは東京での観光を目的としてバスツアーの老舗で、
なんと1948年にスタートしていますから、60年もの歴史があるんですね!


■ 私の「はドバス」体験

私の「はとバス初体験」は、今から25年ほど前です。
最初に入社した会社で、企画を担当していた私は、
全国の代理店の方を東京に招待して、はとバスツアーで東京案内をしました。

ま、実際にははとバス側がすべて段取りをしてくれるので、
私の役割は、単なる「付添」でしたけど、、、

最初、上司からこの企画を聞かされた時、
「今更、はとバスツアーなんておもしろいのかな?」
と、非常に懐疑的だったことを思い出します。

しかし、実際に参加してみるとこれがなかなか面白い。
全国の代理店の方も「大満足」のご様子でした。(^^)

私が参加したのは、たしか「夜の東京ツアー」と銘打ったもので、
ロシア料理レストランやグランドキャバレーなどを回り、
最後は東京が一望できるスカイレストランで酒を飲むというコース。

なんといっても、入社したての私が、仕事でグランドキャバレーに行けたのは、
なかなか日常では考えられないことで、なかなか刺激的だったことを覚えています。


■ 現在の「はとバス」

なんと、09年6月期の売り上げは過去最高だそうです。

【ご参考】「安い・近い・短い」で人気高まる都内観光



古き良きサービスと思っていたものが、完全復活という感じですね。

もちろん、その背景には昨今の不況を反映して、
レジャーが「安近短」化しているという原因もあるでしょう。
しかし、その背景には、厳しい担当者の努力もあるようです。

日経MJ(09.08.19)によると、
企画会議「1000本ノック」と称して、3人の企画担当者がアイディアを
ひねり出しているそうで、、、これは苦しい作業ですね。
9〜12月のツアー120本中8割は新しい企画のようで、、、


■ 付加価値は何か?

いろんなツアー企画があるようですが、
意外なのは、東京近郊に住む顧客が半分以上を占めているとのこと。
これは完全に想定外でした。

私のなかではとバスのイメージは、
「ローカルの方が東京観光の際に利用するツアー」
というイメージがあったからです。

前述の通り、私が一度だけ利用したときが、
全国の代理店の方の東京観光という位置づけでしたから、、、、
もちろん、そのときは「はとバス」にお任せできるので、
企画サイドとしてはとてもラクで安心なんですけどね。

でも、それ以上に東京近郊の方が利用しているんですね。
ここからは、私の私見ですが、
これらの顧客が求めていることには、2つのバリューがありそうです。


(1)非日常

東京近郊の顧客は、東京を知っている、あるいはいつでも行けるはずです。
しかし、東京近郊客がはとバスに求めているのは、
普段の日常生活ではなかなか足を踏み入れることのできない
「非日常体験」だと思うのですね。

例えば、「銀座の高級クラブ」を体験したい。
これは意外と女性に人気があるようです。
なかなか普段は足を踏み入れる機会はないでしょうからね、、、

また、夜の東京ツアーで目に付いたのは「ニューハーフショー」。
まさに、非日常体験ですよね。(笑)


(2)安心感

そして、もうひとつの付加価値が「安心感」だと思うのです。
当然、上記の「非日常」は、なかなか個人で足を踏み入れるのは、
不安がいっぱいですよね。

そこに「はとバス」というブランドが安心感を加え、
さらに、定価を明確に示すことで明朗会計!
誰でも気軽に参加できるわけです。

「夜のヘリコプター遊覧」などもありますが、
普通だったら「一体いくらぐらいかかるの?」と感じてしまうところを
はとバスは明朗会計で、そんな不安を打ち消してくれます。


■ 苦しくも楽しい「商品企画」

前述の企画1000本ノックは、東京近郊の方を飽きさせずに、
リピーターになってもらうには必須の取り組みだったのです。
しかし、それによって着実に業績を伸ばしているんですね。

はとバスが疾走する理由はまさにこの商品企画にあったわけです。

しかし、商品企画と言うものは、次から次へと新しいアイディアを
ひねり出さねばなりませんから、とても苦しい業務だと思うのです。
私には到底出来そうにもありません。(汗)

しかし、そんな苦しさがあるからこそ、楽しさがあるんでしょうね。

以前、ディアゴスティーニの方からも同じような話を聞いたことがあります。
ご存知の通り、ディアゴスティーニも、新しい企画を投入し続けています。

「我々は、常に新しい企画を考えている。
逆にいえば、普通の人が考えることは大抵やり尽くした。
それでも、常に新しい企画を考えることが、我々のバリューだ。」

頭が下がります。

そんな話を「はとバス」の記事から思い出し、
「私は、脳みそに汗をかくまで、考え抜いているだろうか?」
と少し反省をしたのでありました。



株式会社シナプス 代表取締役 家弓正彦
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