現場の営業マンに、「勝てる営業プロセス」を浸透するには、
営業マネジャーの役割がとても大切だと思います。
「勝てる営業プロセス」を明確にし、それを現場の営業マンに実行させる。
このように言葉で書くと簡単に見えますが、
実はそれを持続的に定着させるのはとても困難です。
営業マンの自主性に依存してしまうと、当然一人ひとりの個性が出やすくなり、
また、以前の「自己流の営業プロセス」に逆戻りしやすいようです。
営業プロセスの定着には、営業マネジャーが一人ひとりの営業マンの
行動をチェックし、指導し、サポートしていくことが不可欠なんですね。
■ モニタリングの仕組み
マネジャーは営業マン一人ひとりの行動をしっかりモニタリングします。
あるいは、営業マンを通じて「顧客」や「市場全体」をモニタリングします。
つまり、営業マンの報告から、マネジャーは以下の役割を果たすことになるわけです。
<モニタリング目的> <マネジャーの役割>
・市場概観把握 ⇒ 営業戦略、方針策定
・商談課題発見 ⇒ 受注促進
・営業マン個人課題 ⇒ 営業マン個人への行動定着(育成)
そのためには様々な手段が考えられます。
・セールス会議
会議は、全員で情報共有するには有効です。
しかし、共有だけなら他の手段でも十分なはずで、
やはり全員の時間を投資して行う会議は、
会議でしか出来ない「創造的ディスカッションの場」としたいものです。
・報告書(日報など)
定型的な報告は日報などで行うと良いですね。
ある程度、モニタリングしたい項目をしっかりフォーマット化して、
情報のモレなどが起きないように配慮する必要があります。
・グループウェア
報告書は、日々の行動管理には有効ですが、
同時に、顧客管理や案件管理にもモニタリングが必要です。
しかし、アナログ的なツールだと、同じことを異なるフォーマットで
重複して書くといった非効率が生まれます。
それをシステム化すると、営業マンの負荷は軽減できますね。
今は、SFA(Sales Force Autometion)などの良いツールがあります。
・1対1対話
すぐその場で解決したい課題があるときは、
リアルタイムで報告を求めることも必要でしょう。
営業マンが外出先から帰ってきたらすぐ報告をしてもらう、
そして、その場で指示を出す、といった対話も重要な役割を果たします。
モニタリングの目的や内容などに応じて、これらの手段をうまくミックスさせ、
しくみとして導入することが求められます。
■ 対策の立案、指示
営業マンがとるべき具体的行動(対策)は、大きく分類して3つのタイプに分かれます。
・営業マン自身による立案
まず、第一ステップとしては、自ら「Next Action」を設計することが重要です。
一般に「日報」とは、「誰と会って、どんな話をしたか?」に終始しやすいところですが、
本来、日報のあるべき姿としては、今後の計画書でありたいものです。
いつまでに、どんな行動をとるつもりなのか?
営業マン一人ひとりがPDCAのサイクルを回して、自身の行動を管理したいものです。
そのための支援ツールなども創っておくとよいですね。
「商談管理シート」などのフォームを創って、行動実績、Next Action、目標、リスク、
そんな内容をカバしておけば良いかと思います。
・マネジャーによる立案
これは、マネジャーの重要な役割です。
マネジャーは経験値も高く、多くの情報やナレッジを持っていることが多いので、
営業マンが抱える課題や営業マンが採るべき行動を都度的確に指示することが必要です。
この指導によって、営業マンに「勝てる営業プロセス」を定着させることになります。
・営業組織全体による立案
しかし、必ずしもマネジャーが独力で対策立案をしなければならないわけではありません。
前述のように、セールス会議を「創造の場」として、営業マン全員が衆知を集めて
対策を考えることは営業マン育成、組織活性化などに非常に有効だと思うのです。
この時、営業マネジャーは有能なファシリテータとして役割を果たさねばなりません。
■ 行動促進
営業マンが採るべき「勝てる営業プロセス」上の一つひとつの行動を
うまく実行を促す取り組みも必要でしょう。
これがいわゆる「インナープロモーション」というヤツですね。
テレアポをやるなら、「テレアポコンテスト」を企画するなど、
ゲーム仕立ての演出を行うことなどが考えられます。
【参考記事】 ⇒ セミナー録「アポイントメント営業」
その他、社内広報/掲示などで、情報の共有、刺激を促すのも良いですね。
こういったマネージャーの機能が果たされないと、
なかなか営業プロセスを革新することは困難です。
ヒトのマインドは変革を嫌います。
そんなマインドを払しょくし、着実に営業変革を巻き起こすには、
営業マネジャーの果たす役割は非常に大きいと思われます。
株式会社シナプス 代表取締役 家弓正彦
Twitter : http://twitter.com/Kayumi
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コメント
コメント一覧
“不況時の売れるための仕掛け作り”の知識が管理職を中心に極めて弱い状況があります。
また、昨今の風潮なのか
・個性を大事に
・やらされ感だと人は動かない
・メンバー目線で
的なゆとり教育ではなく「ゆとりマネジメント」が幅を利かせており、正直イライラしています(笑)
かと言って軍隊的な方法論で組織は動くはずもなく、また、自主性を重んじると先生の言うように自己流の営業プロセスに走りがちで、なかなか思うようにことが進まない状態です。
と言いながらも自分の行動も決して評論できるほどきちんと出来ていないのも事実なので
今月より昔同様に自らが壇上に立って、しっかりと教育する場を作り行動し始めました。対象は支店長と支店リーダーです。
先生の数々のアウトプットを改めて読み直しながら、自分の育成プログラムに更なる“強さ”を盛り込んでおります。
いつもコメントありがとうございます。
いやぁ、やっぱり営業現場からの声は生々しく、
とても参考になりますね〜
「教育の場」、その成果についても今度聞かせてください。
一度、ブレストでもしますか?(^^)
あっ、決してエグイ営業はしませんから、、、笑
Kay