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第二回の今回は、「質問するチカラ」について、
その事前準備の段階で「やっておくべきこと」を考えていきます。


■ メインイシューと論点構造化

イシューとは、直訳して「論点」
つまり、メインイシューとは、質問によって最終的に明らかにしたいこと

質問の目的とメインイシューを明確にすることが全ての原点になります。

そして、そのメインイシューを明らかにするためには、
いろんな情報が必要となるはずです。それがサブイシューです。

つまり、メインイシューを明らかにするために必要なサブイシューを設定します。

イシュツリー






(例)
零細明太子メーカーA社がテレビ通販で成功している。
  ↓
(目的)なんとかA社に入り込みたい
  ↓
(メインイシュー)A社が今、必要としているソリューションは何か?
  ↓
(サブイシュー1)今後の方針、あるべき姿は?
(サブイシュー2)現状の問題点は?

こんな構造ですね。
つまり、「今後のあるべき姿」と「現在の問題点」わかれば、
そのギャップから「今、必要としているソリューション」がわかるはず。。。

そんなロジックが描けるはずです。


■ 仮説構築

しかし、この論点構造を明らかにしただけでは、良い質問はできません。
そこに必ず「仮説」を持つことが必要なんです。

(サブイシュー1)今後の方針、あるべき姿は?
     ↓
  <仮説>積極的に売り上げを拡大したい

(サブイシュー2)現状の問題点は?
     ↓
  <仮説>発送業務のキャパシティに限界

この仮説から、

(メインイシュー)A社が今、必要としているソリューションは何か?
     ↓
  <仮説>発送業務のアウトソーシングサービスを提供

というメインイシューに対する仮説が立てられます。

質問の構成を疑問文だけで考えるのではなく、
必ず仮説を持つことで、良い質問が生まれてくるはずなんです。


■ 答えやすい質問、答えにくい質問

それでは、論点構造が明らかになったら、質問のシナリオを考えましょう。

まず、基本ルールは「答えやすい質問から、、、」です。
質問には、答えやすいものから答えにくいものまであります。

 <答えやすい質問>    <答えにくい質問>

  クローズドエンド     オープンエンド
  事実情報         主張・意見
  Positive情報       Negative情報
  一般論          個別情報


クローズドエンドとは、Yes/Noで答えられる質問です。
それに対し、オープンエンドとは、フリーアンサー方式。
この組み合わせは、こんなイメージで使いこなしてください。

【Step1】クローズドエンドで論点領域の絞り込み
  (例)次回もこの商品をリピート購入しますか?

【Step2】オープンエンドで掘り下げ
  (購入する) → どこに満足しましたか?
  (購入しない)→ 何が不満でしたか?


■ ボトムアップとブレイクダウン

論点構造をツリー構造で描くと、
ボトムアップとブレイクダウンに分類することもできます。

BUBD




ボトムアップとは、下位情報(根拠となる事実)から問いかけるスタイル。
逆に、ブレイクダウンとは、上位情報(大きな論点)から問いかけます。

それぞれ、メリットデメリットがありますので、留意してください。

 ・ボトムアップ
   仮説検証には、客観的事実情報を確実に行いやすい。
   しかし、仮説以外の視点を失いやすい。

 ・ブレイクダウン
   まず大きな視点で論点を特定したい時は有効。
   いきなり、核心をつく質問で、回答しにくい。


■ Z型シナリオ展開

これは家弓の造語です。
「クローズドエンド/オープンエンド」と「事実情報/意見主張」のマトリクスで考えると、
最も答えやすい「クローズド×事実情報」からスタートして、
徐々に核心に迫っていくというストーリーで構成しています。

Zmodel






■ アンカリングに注意!

アンカリングとは、冒頭の質問&回答が、後々の質問に心理的影響を与え、
客観的な回答が得られにくくなる現象を指します。

(パターン1)
回答者は、最初の発言と矛盾が起こらないように、
無意識のうちに後半の質問に対する回答をゆがめてしまう。

(パターン2)
最初の質問のテーマによって、回答者の視点が他に向かず、全体像を見失う。



以上、質問を投げ掛ける前に行っておくべき「事前準備」について考えてきました。
次回は、いよいよ「質問の現場」についてお話します。



株式会社シナプス 代表取締役 家弓正彦
 Twitter : http://twitter.com/Kayumi
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