本稿は「営業革新」をテーマに、家弓独自の視点で整理しています。
まだまだ発展途上のモデルですが、皆さんのご意見をいただきながら、
ブラッシュアップしていきたいと思います。
前回は顧客の購買プロセス、そしてDMUなどについてお話ししました。
【ご参照】http://kayumi.jp/archives/783393.html
営業には、その購買プロセスに的確に対応するプロセスが求められるはずです。
そんな「営業プロセス」の設計について考えてみました。
■ 最適な営業プロセスとは?
難しい課題です。
何をもって「最適」とするかは、それぞれのセールスパーソンの個性や
取り扱っている商材によって、かなり異なると思うのです。
だからこそ、「あるべき営業」については、
深く研究がなされず、「企業によって異なる」とか「営業マンによって異なる」
とされてきたのではないでしょうか?
確かに売れる営業マンにも様々なタイプがいます。
それでは、各企業、各営業組織、各営業パーソンによって、
目指すべき「営業プロセス」を独自に考えなければならないのでしょうか?
それでは、なかなか「営業を革新する」ことはできないでしょうね。
■ 強い組織を創るためになすべきこと
2つの考え方があると思うのです。
・ボトム〜ミドルセールスの底上げ
・組織内トップセールスをさらに磨きあげる
トップセールスのエリート化は、なかなか難しいかもしれません。
この課題は、私の中でももう少し研究が必要です。
しばらくお待ちください。
やがて披露させていただきたいと思います。
ということで、ここでは
「ボトム〜ミドルセールスの底上げ」
について、考えてみたいと思います。
■ ボトムは、なぜボトムなのか?
まず、ボトムのセールスパーソンがなぜ成果が上がらないのか?
を考える必要がありますね。
理由はいくつか考えられると思います。
(1)そもそも基礎スキルが足りない
(2)営業として為すべきことを分かっていない
(3)あまりにモチベーションが低い
(4)周辺業務の生産性が悪く、真の営業活動に専念できない
・・・・
(1)のスキルとは、マナーや商品知識など、
いわゆる「テクニカルスキル」に類するものです。
これは、Off-JTなどを通じて、しっかり学ぶ必要がありますね。
しかし、逆にいえばある程度勉強し、経験を積めば、
最低レベルはクリアできるようになるでしょう。
(3)は、個人個人の動機付け要因を明らかにする必要がありますね。
キャッシュか?ビジョンか?環境か?
これは、重要なファクターですが、
どちらかというと組織論の領域にお任せしたいと思います。
営業マンは、報告書や見積書は発注書、社内資料など、
様々な「真の営業活動」以外の間接業務をもこなさなければなりません。
これが(4)のネックですね。
しかし、営業マンも会社組織の一員ですから、これは仕方のないことです。
一番、マーケティング視点から改善余地が大きいと思われるのは、
(2)営業として為すべきことを分かっていない
ではないかと思うのです。
■ パフォーマンスを上げるために、、、
ベテランのハイパフォーマー営業マンは、
「この状況では、こんなアクションをとるべきだ!」
という成功パターンをたくさん持っているのだと思います。
しかし、難しいのはハイパフォーマーは、
それを論理的に意識して実行に移しているとは限りません。
いや、むしろ職人的のように「自然な立ち振る舞い」として、
最高の営業プロセスを無意識のうちに実行していることすらあります。
いわば「暗黙知化」しちゃっているんですね。
そして、それをうまくヒトに伝えることもできない。
そのノウハウもって部下指導も慣れていない、、、
そんなケースがとても多いように感じます。
なぜなら、トップ営業マンは「営業が好き」で、
決して「部下育成」や「マニュアルづくり」が得意なわけではないんです。
そこで、強い営業組織をつくるための「プロジェクト型組織」によって
トップ営業マンの暗黙知を「形式知化」して、それを組織に浸透させる。
そんな活動によって、効率的に営業革新を推進できるのではないでしょうか?
ステップとしては、
(1)ハイパフォーマーのインタビュー
(2)営業成功のエッセンス抽出
(3)営業プロセスのステップ作成
(4)各ステップでの成功行動パターンを形式知化
(5)成功モデルのマニュアル化
(6)研修などによる組織へのインストール
概ねこんなプロセスを通じて、組織的な営業革新が求められると思うのです。
次回は、もう少し噛み砕いて、どのような内容を「成功モデル」として
形式知化しなければならないかを考えてみます。
株式会社シナプス 代表取締役 家弓正彦
Twitter : http://twitter.com/Kayumi
Tumblr : http://kayumi.tumblr.com/
コメント
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私達が営業しに行くのと同じで、私に営業をしてくる営業マンもいます。(業者さんですね)
ただ商品を羅列し、プロダクトアウトをせっせと推進する営業マン(たまに買う程度)と、私のミッションや課題や問題をヒアリングし、最後の最後に提案という形でアプローチしてくる営業マン。。
不況の時代はどちらが売れるか・・・なのですが、勿論後者になります。
(前者は圧倒的なアプローチ量によって“ラッキー要素の最大化を狙うってのもあるとは思いますが、このクソ暑い中、そこまでモチベを保てる営業マンはいないでしょう・笑)
自社にあてはめると、残念ながら前者が多いと思われます。活動量の少ない前者。。。
>「あるべき営業」については、
深く研究がなされず、「企業によって異なる」とか「営業マンによって異なる」
とされてきたのではないでしょうか?
これ以外にも「うちの担当地域は他と比べて特殊」「顧客も他と比べて特殊」と、マーケットの特殊性を挙げて出来ない理由としています。
一番の問題はそれを管理する役職者が「そうだよな〜」としてしまうこと。
そう考えると、マーケティングの概念とはズレてしまいますが
「営業マン×管理職スキル×戦略」
がうまくMIXされないと「成果」につながらないですよね。。
日々勉強です。。。
うーむ、そりゃちょいと問題ですねぇ。
せめて活動量は必要かと、、、(笑)
また、ご指摘の通り、
「地域特性」「顧客特性」というのもありますね!
これは、追加します。(^^)
> 「営業マン×管理職スキル×戦略」
ま、やっぱり原理は「戦略ありき」だと思うのですよ。
それを基にした「営業マンの活動」が設計されていて、
それをサポートする「マネジメント」がなされていること、、、
ま、そんな理想的な組織はほとんど存在しないかもしれませんが、、、
Kay
うちの会社は戦略論を語ると「頭でっかち」や「また戦略?足元固めようぜ」的な雰囲気になるので辛いところです。
絶対にこの文化を変えてみます(笑)
いつも愚痴ばかりでスミマセン。。