- ブログネタ:
- 経営コンサルティング に参加中!
最近、某消費財メーカー様から、
「マーケターのスキルマップ」を構築したい」という相談がありました。
このテーマは、数年前から自分なりのマップを確立したいと思っていましたので、
一度、ゼロベースで考えてみたいと思っています。
以下述べるのは、あくまで現時点での家弓の私見です。
上記メーカー様のために考えたものではありません。
しかし、これまで20数年間、マーケティングの仕事に就いて、
感じてきたことをまとめてみます。
実は、マーケティングだけではなく、
全てのビジネスマンに求められるビジネススキルかもしれません。
ご参考までに、、、
まず、大きく3つのレイヤーで考えられると思います。
(1)知識、(2)思考力、(3)表現力
この3つが備わって、初めてビジネスのパフォーマンスに
つながるのではないでしょうか?
ひとつずつ、もう少し詳細説明してみましょう。
(1) 知識
やはり、知識は武器になります。
そして、この知識は次に示す思考力の品質にも大きく影響します。
■ 理論体系
マーケターなら、最低限「マーケティング理論体系」の概要は
理解しておくべきですよね。
また、マーケティング領域だけではなく、
経営戦略、財務、組織人事などにかかわる経営理論を理解しておくことで、
マーケターとしての奥行きが深くなることも期待できそうです。
■ 実践知識
また、同じ知識でもいわゆるアカデミックな理論体系以外に、
実践で必要とされる様々な知識が求められることも多いですよね。
知識というより、ノウハウといったほうが馴染みやすいかもしれません。
例えば、マーケティングリサーチにかかわる知識としてなら、
アンケートの設計の仕方(目的と手法の関係、設問数や選択肢数の考え方など)
は、知識として知っておかなければ、良いリサーチは行えないでしょう。
(2)思考力
上記の知識は、原則として汎用的なものなので、
今、あなたのビジネスの課題解決にそのまま適用できるとは限りません。
また、分析結果からメッセージを読み取ったり、
最終的な意思決定には、必ず自らの頭脳で考える作業が必要です。
■ 論理的思考力(ロジカルシンキング)
思考のひとつのスキルがロジカルシンキングです。
ものごとを根拠付けて考える力ですね。
この考える技術についても、あらかじめ知っておくべき知識があります。
一般に使われる「思考技術」は、知識として理解しておきましょう。
例えば「演繹法、帰納法」など、知識として知っておけば、
思考作業の精度や生産性をアップするのに役立つはずです。
■ 創造的思考力(クリエイティブシンキング)
しかし、マーケティングはロジカルに考えていても、
ブレイクできないことがたくさんあります。
他者が考えない独創的なアイディアをクリエイトすることは大切です。
それ以外にも、「将来動向を予想する」、「顧客の心理を想像する」など、
クリエイティブな能力が要求される局面はたくさんあるはずです。
(3)表現力
そして、最後にビジネスのパフォーマンスを発揮するためには、
他者に対して広い意味での影響を与えることが必須だと思うのです。
故に、影響力を行使するための「表現力」が不可欠となるのです。
■ 論理表現力
ロジカルシンキングにも通じますが、
自分の主張を、ヒトにわかりやすく、説得力を持って伝えるチカラです。
ひとつのプレゼンテーションにも、説得力あるストーリーを考えることが求められます。
そのストーリーによって、ヒトを動かすパワーは大きく異なります。
■ 創造表現力
そのプレゼンも、クリエイティブにインパクトがあれば、
他者に対する影響力を高めることができるでしょう。
ビジュアルやキャッチコピーなど、クリエイティブによって、
ヒトはモチベートされ、行動を起こすエネルギーとなると思います。
もちろん、これ以外の視点から、
マーケターに求められるスキルを定義することもできるはずです。
また、上記は比較的「テクニカルスキル」に限定して考えていますから、
「マネジメントスキル」や「ヒューマンスキル」などは含まれていません。
今後、マーケターに求められる要件として、
もっと幅広い視点から考えてみたいと思います。
さらに上記3つのスキルにも、さらに詳細内容を明らかにしていく必要があります。
これも、改めて紹介していきたいと思いますので、お楽しみに。
株式会社シナプス 代表取締役 家弓正彦
Twitter : http://twitter.com/Kayumi
Tumblr : http://kayumi.tumblr.com/
コメント
コメント一覧
まず思いつくのはミーハーかつオタクであることw
これはスキルじゃなくて素質かなあ?
ミーハーは
流行りのものを広く浅く知ってて上手く取り入れてる→好奇心、情報収集力、バランス感覚、行動力
オタクは
その分野の商品やユーザーや関連情報をよく知っていて、場合によってはマーケットに影響与えるくらいマニア→高度な情報収集力、分析力、知識力、影響力
みたいな感じです(・∀・)
社会人になるとミーハー力が落ちると思うんですよね。
最新のアーティストとかチェックしなくなっちゃう。
なので意識してミーハーに騒いでみたりします(笑)
そうそう、おっしゃるとおり、
「マーケターに求められるマインド」
っていうのがあると思うんですよ。
これは、別途取り上げたいですね〜
上記のご意見、その時のブログネタとして、
是非使わせていただきま〜す!(^^)
P.S.
ちなみに、私はかなり偏ったミーハーです。(笑)
Kay
私のアウトプット物の“質”にもよるとは思うのですが、昨今「創造的革新VS旧態依然」の戦いになっています。。
時代に合わせて両方の良いところをチョイスし素早く実行に移すのが重要だと思っているのですが、仮にいくら知識を付けて“さあやるぞ”となっても、会社内での軋轢が邪魔するときがあるのが残念です。
表現力の中の“人を動かす”ことの難しさ、“組織を動かすことの難しさ”を痛感しています。
i-modeが出た時、「そんなの誰が使うの?」とか、
mixiが始まった時、「何が面白いの?」とか、
新しいものを体験せずに既存の価値観で否定してしまうことってあります。
まずは、何事も興味関心を持つことって大切ですよね。
でも、それを単なる「新し物好き」に終わらせずに、
良いものを目利きして、人に伝え、動機づけ、動いてもらう、、、
難しいことですが、チャレンジを続けていきたいですね。
お互い、がんばりましょう!(^^)
Kay
こんなに面白い記事に、少し乗り遅れてしまいました、、、
ボクは現役マーケターなので、家弓さんの上げた3点についてまったく同感でかつ共感します。
ボクの持論は、マーケティングはMarketにingがついていることもあり、市場環境の変化に最適に対応できるスキルが必要条件だと思います。
あと事業会社でのマーケティングに重要なのは行動力なんじゃないかと思います。
その点、Tさんが書かれている“動かす力”に、ボクは最大の労力をかけています。
いつもありがとうございます。
環境適応力、行動力、、、
とても重要ですよね。
これはどう整理しようかな〜
「テクニカルスキル」とは別建てにして、
行動要件や心理要件のようなカテゴリー立てが必要な気がします。
hikaruさんがおっしゃっていた「好奇心」などが心理要件(マインド)の部分で、
「行動力」などが行動要件か、、、
も少し、考えてみます。
Kay