顧客ニーズという言葉は、すっかり「手垢にまみれた」感がありますが、
そのニーズの本質を理解することはとても難しいと思うのです。
例えば、「デジカメがほしい」と言っている顧客がいたとしますね。
そんな顧客のニーズは「デジカメを入手すること」ではないはず。
一歩踏み込んで「なぜデジカメがほしいの?」と問いかけることが必要です。
デジカメを買う目的は、もちろん写真を撮ることですよね。
そしてもう一回「なぜ写真が撮りたいの?」というと、、、
「今度旅行に行くから、その時の思い出を残したい」
といった欲求が見えてくることでしょう。
その他、写真を撮る目的としては、
「ビジネスの記録を残したい」とか、
「写真撮影そのものが趣味」ということも考えられるでしょう。
つまり、これら「写真を撮る目的」から考えると、
カメラは単なる手段に過ぎないんですね〜。。。
これを我々はニーズと明確に使い分けるために、ウォンツと呼んでいます。
そうやって、デジカメを使う目的とシーンがわかれば、
それに対する提案と購入の動機付けができるはずです。
あるいは、顧客の本質的ニーズが「旅行の思い出づくり」なら、
デジカメではない「他のソリューション提案」ができるかもしれないんです。
なぜ、この商品が欲しいのか?
この商品が手に入ると何が嬉しいのか?
そんな問いかけを繰り返すことで、
顧客の本質的なニーズや深層心理が理解でき、
それに基づいた提案が可能となります。
「Why So?」→ なぜ?どうして?
「So What?」→ だから何なの?
こういった問いかけを3回繰り返す。
ま、3回じゃなくても良いんですけど、
これを繰り返し、顧客のインサイトを掘り起こしていくプロセスが、
まさに提案営業であり、ソリューションセールスなんです。
そんなことを弊社のマーケティングカレッジでは教えているんですが、
先日「元NOVA」に勤めていた受講生の方から、よい話を聞きました。
NOVAで徹底しているセールスプロセスは、
まさにこんな顧客の心理を理解し、動機付ける優れたものだったんです。
次回はそんなお話をしてみますね。
株式会社シナプス 代表取締役 家弓正彦
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