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昨年は、サントリービール事業45年目にして
初の黒字化というニュースが話題になりましたね。

ビール業界の方からいろんな話を聞きました。
昨年は、麦芽の高騰によって各社ビールの値上げを行いましたよね。
結構、打撃を受けた家庭も多いのでは?(^^)

昨年2月に値上げに踏み切ったキリンを皮切りに、
アサヒ、サッポロも続いて値上げに踏み切りました。

しかし、缶入りについては、サントリーだけが踏みとどまり、
言いかえれば、サントリーだけ安売りをする形になり、
業界では、かなり波紋を呼んだそうです。

某ビール会社のマーケティング担当者K氏は、
怒りとともに、焦りを感じたと言っています。
しかし、結局最需要期の夏場を過ぎた9月になると
サントリーも値上げに踏み切り、
「正直、ホッとした」とK氏は言っています。

あそこで、値上げをしなければ、
「サントリーは完全に顧客を味方につけてしまう結果になっただろう」
と回想していました。

それにしても、サントリーは黒字化のみならず、
シェアでサッポロを逆転し、いきなり脚光を浴びました。
その要因は、投資配分にあったようです。

何と言っても、昨年のサントリーのヒット商品は、
「プレミアムモルツ」「金麦」
この2ブランドがシェアアップと黒字化に大きく貢献したことは、
間違いないようです。


このヒットは偶然によるものではなく、
サントリーの戦略的な広告資源配分によるところが大きいようです。
昨年は、他のブランドの広告を抑え、この2ブランドに
徹底投資をしたとのこと。

やはり「選択と集中」の結果だったんですね。


最近、私は「この不況期だからこそ、戦略の重要性」を訴えています。

あらゆる企業が不況のあおりを受けて、予算カット。
現場は少ない予算で、なんとか業績を維持しようと必至です。
そんな時だからこそ、「やれることは何でもやる!」のではなく、
本当に有効なROI(投資対効果)が期待できることにフォーカスする。
そんな資源配分が求められるのだと思います。

広告ひとつとっても、常にきちんと広告効果測定を行い、
効果の見込めるメディアに投資を絞り、効果の低いメディアは切る!
そんな抜本的な広告政策の見直しが必要となっています。

ま、もっとも広告効果測定は不況期のみならず、常に必要なんですけどね。

効果を維持しつつ、広告費を削減する。

このとても重要な取り組みは、地道な効果測定と、
きめ細かな投資配分の修正を積み重ねることで確実に実現できると思うのです。

皆さんは、広告効果測定を実施していますか?
一度、真剣に見直しをしてみることをお勧めします。


株式会社シナプス 代表取締役 家弓正彦