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もうブランディングの成功事例として、
田中義剛さんが経営する花畑牧場の「生キャラメル」は御存知ですよね?
2007年4月の発売以来、ヒットを続け、
今ではすっかり北海道のお土産の顔となりました。
しかし、先日偽生キャラメルが販売されていたとのニュース。

これをきっかけに、花畑牧場の戦略を分析して、
そこからニッチャー戦略とその限界」について考えてみたいと思います。

■ 事業領域(ドメイン)設定

一般に、ニッチャーの戦略は、経営資源に制約のあるベンチャー企業
採りやすい戦略と考えられます。
そんなベンチャーは、大手企業が参入しない競争が緩やかなニッチ領域に
経営資源を集中投資をしていく戦略を指します。

それでは、まず牧場経営というものついて考えてみましょう。
通常、牛乳を摂るのに適したホルスタインを飼育し、
大手牛乳メーカー向けに牛乳を提供するというビジネスモデルが多いようです。

花畑牧場は「大手にはできないビジネスをやろう」という
ニッチャーの思考が、当初からあったようですね。
当然、田中義剛さんとしては、後発参入組ですから、
ユニークなニッチャーの戦略しか採り得なかったとも言えます。

ジャージー牛を飼育して、牛乳にひと手間かけて、
付加価値化を図った加工乳製品を主戦場に選びます。
この労働集約的な手間のかかるビジネスは大手には魅力に欠けると
考えられ、まさにニッチャーには理想的な事業領域(ドメインです。

「ドメインは付加価値セグメントに絞る!」


■ ブランド化に向けたマーケティングミックス

さらに、ブランド化によるプレミアム戦略に成功したところが秀逸ですね。

このブランド化をもたらした具体的マーケティングミックス4P
整理してみますね。

製品(Product)
これは前述のとおり、人手をかけて、高品質化を目指しています。
田中氏にどの程度のものづくりの能力があるのかわかりませんが、
結果としては、顧客の期待は裏切らないものだったんでしょうね。

「製品戦略は、高品質戦略」

価格(Price)
1箱850円(12粒入り)というプライシングは、正直言って高過ぎです。(笑)
しかし、価格設定が顧客に与える心理的影響は大きいですよね。
低価格設定は、顧客は購入しやすいですが、品質への期待は下がりやすい。
いわゆる「安かろう、悪かろう」という印象を受けてしまうわけです。
生キャラメルは、高品質高価格というプレミアム戦略を採りました。

「価格戦略は、高価格戦略」

流通(Place)
当初は、販売場所を新千歳空港だけに限定しましたよね。
さらに、話題になってからも、全国の物産展などに限定しています。
こういった「排他的流通政策」を採ったんですね。
これはむやみに手を広げず、限られたチャネルで確実に売っていくという
「小さく始める」戦略ですね。

「流通戦略は、排他的戦略」

コミュニケーション(Promotion)
田中氏はタレントですから、TVなどマスメディアの取り上げ方は
通常のベンチャーなどとは異なる機会があったことは事実です。
しかし、重要だったのは「クチコミ」じゃないですか?
ベンチャーの場合、現実には資本力には限界があり、
マスメディア広告に大きな投資は不可能です。
最近注目される「クチコミマーケティング」は、
小資本ベンチャーに有効なコミュニケーション戦略と言えそうです。

「コミュニケーション戦略は、クチコミ徹底活用」

と、マーケティングミックスを俯瞰しても、
ニッチャーの戦略を徹底していることがうかがわれますね。
マーケティングミックスとしては、この一貫性がとても重要なんです。

■ ニッチャーの限界 〜経営トップの考えること

しかし、、、

ニッチャーの戦略には限界があると言われます。
ニッチャーの戦略に成功した際、
経営者の視点から考えることは何でしょうかね?

 「更なる成長を図りたい」

 
「安定した経営基盤を確立したい」

当然ですね。。。

ニッチャーの戦略は、特定領域を事業対象としますから、
成長余地には限界があるんです。
ニッチャーが更なる成長を目指すなら、絞っていた事業領域を緩め、
投資対象を広げることになります。
その対象は、大手の存在など厳しい競争環境が待ち受けています。

そこで、持続的優位性を描けるかどうか?(汗)

また、ニッチャーの最大のリスクは、
ニッチ領域に特化した事業への依存度が高いことです。
つまり、経営的には安定感に欠けるわけですよ。

こういった理由から、新商品や新事業開発に取り組む動機が生まれ、
そして、新たな事業リスクを抱え込むことになります。

■ ニッチャーの限界 〜類似競合の参入

そして、もう一つのリスクが「類似競合の参入」。
先行ニッチャーが成功をした場合、当然他社はその成功をベンチマークします。
小資本の先行ニッチャーが成功しましたから、
類似戦略を採れる競合他社が存在していても不思議ではありません。

つまり、最初のステージでの成功は、
次のステージで、新たな競争環境にさらされることを意味します。
ここで、二の手、三の手を打てるかどうかがカギです。
ここで姿を消す「一過性のブームで終わる」企業はとても多いんです。

いやぁ、、、経営って本当に難しいですよね!
だから、「経営コンサルティング」が必要となるわけです。
(あっ、これはPRでした、失礼!失礼!笑)

株式会社シナプス 代表取締役 家弓正彦


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