前回に続き、ドキュメンテーションの技術について、、、
上手なドキュメント作成には、以下の3つのファクターが必要です。
1.シナリオ作成
2.シートレイアウト
3.チャートデザイン
これらにおいては、最低守るべきルールがあるはずです。
1.シナリオ作成
ここでは、ドキュメントのストーリーの流れをシナリオと呼びます。
シナリオの出来栄えによって、納得感、説得力が生まれます。
プレゼン効果にはとても重要なプロセスとなるはずです。
でも、ここにエネルギーを注いでいる方は、
意外と少ないんじゃないでしょうか?
基本的な作業アプローチとしては、
(1)ドキュメントで主張したい「メインメッセージ」を明確化する。
(2)その根拠となる材料を明確化する。
(3)さらに、その材料にも事実情報でサポートできるとベター
これらの作業で「ピラミッド・ストラクチャー」を構築します。
※【参考】ピラミッドストラクチャー
http://fk-plaza.jp/Solution/solu_Piramid.htm
この構造が、説得力あるシナリオとなります。
あとは、シナリオの流れに沿って、
ドキュメントのページネーション(ページ構成)を決めていきます。
そのパターンとしては、
・起承転結型
・結論/根拠型
・課題/解決型
などがよく用いられますね。
とは言え、このシナリオを作る作業って、難しいんですよ。
そこで、ちょっとしたコツを、、、
(1)伝えたいメッセージを抽出
まず、ピラミッドストラクチャーで使った情報が、
相手に伝えたいメッセージですよね。
そのメッセージを、単文ワンセンテンスで表現してみましょう。
ここでは、あまり順序を意識せず、列挙すればOKです。
(2)メッセージを並べ替える
抽出されたメッセージを、ストーリーがつながるように、
並べ替えてみましょう。
最終的には、そのメッセージをつなげて読み上げて、
きちんとしたストーリーとなっていれば、OKです。
(3)ロジックチェック
再度ピラミッドストラクチャーに落としてみて、
上位のメッセージが、下の情報によってしっかり根拠づけられているか?
下位の情報によって、上のメッセージがムリなく導出されるか?
をチェックして完成です。
私は、この作業をひとりで会議室に籠って行っています。
その時、裏紙に1枚にワンメッセージを大きく書きます。
必ず、1枚にワンメッセージです。これは絶対ルールですね。
そして、それを大テーブルの上で並べ、
入れ替えたり、書き加えたり、破り捨てたり、、、
ここは試行錯誤です。(^^)
私はアナログ派なので紙作業しますが、PCを利用するなら、
パワーポイントのスライド一覧表示で作業するとよいでしょう。
あるいは、ワードやエクセルで表組みを使っても良いかもしれません。
<ストーリーシートの例>
<表組みのストーリーシート>
その他、わかりやすいドキュメントを作るためには、Tipsがあります。
■ オーバービューを見せる
詳細の説明に入る前に、ドキュメントのストーリー全体を見せると有効です。
まず、全体がどのようなコンテンツ構成になっているのか?を理解することで、
読み手の心理的ストレスは大きく減少します。
また、その構造に応じて、中仕切りを入れることも効果的です。
■ ナビゲーションをつける
読み手が、全体のストーリーの中で、今どの部分の話をしているのか?
を明確に示すために、各ページの同じ位置に、ナビゲーションアイコンを
入れておくとやさしいですね。
<ナビゲーションアイコン例>
これらは、基本的に「読み手を迷子にさせない」工夫です。
2.シートデザイン
■ 定型フォーマット化
各シートは、ひとつのフォーマットを決めて作成しましょう。
とくに、メインメッセージを描くところは、しっかり場所も決めて、
フォントやポイントも統一することで、読み手のストレスは軽減されます。
これにより、読み手も「ここが重要なメッセージだな」と
自然に学習してくれるんですよね。
■ 1シート1メッセージ
「シート一枚に、言いたいことはひとつだけ」というルールです。
つい「あれもこれも言いたい」と欲張ってしまうと、、
情報をギュウギュウに詰め込んでしまいがちですが、
焦点をしぼらないと、読み手には伝わりませんよ。
■ ボディーもシェイプアップ
ボディーには、メインメッセージを確からしいものにするために
必要な情報を掲載します。
でも、本当に最小限の情報量に留めてくださいね。
初めてドキュメントに目を通す読み手にとっては、
情報過多は「ノイズ」に過ぎません。
3.チャートデザイン
■ チャートの狙いは何か?
ドキュメントにビジュアルを有効活用すると、
とてもわかりやすいものとなりますよね。
でも、そもそも何のためにビジュアルを用いるのか?
目的を明確にしなければ、意味のない単なる修飾になってしまいます。
チャートの主な目的は、
「全体の構成を示す」ことと「重要な論点を示す」ことでしょう。
■ チャートの特性を知る
チャートのタイプとしては、「因果関係」「構造構成」「テーブル」
「プロセス/フロー」「マップ」「グラフ」などが挙げられます。
それぞれのチャートの特性を理解して、
メッセージを的確に説明するチャートを選びたいものですね。
ジョブスのiPhone発表プレゼンを見てください。
【参考】 最強のプレゼン、スピーチ、演説映像集
とてもシンプルなチャートを有効に使っています。
是非、見習いたいものですね。
株式会社シナプス 代表取締役 家弓正彦
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