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オバマ政権がスタートして、世界中の期待が集まっている昨今ですが、、、
ここで、オバマ氏にみるマーケティング戦略を考えてみました。
そもそも、オバマ氏はなぜこれだけアメリカ国民の支持を集めているのでしょうか?

今のアメリカ国民は、以前のような世界のリーダーとしてのエネルギーを
失っていることをしっかり自覚しているのだと思います。
そして、それをまた取り戻せるリーダーを待ち焦がれているんでしょうね。
選挙をマーケティング的に考えるなら、ここが「顧客ニーズ」。(^^)

そして、オバマ氏はどうやってその顧客ニーズに応えたのでしょうか?

■ 経歴

まずは、海外移住者2世という「マイノリティ」というポジション。
そこから、ハーバード→弁護士→政界入り→大統領選出馬と上り詰めていきます。、
まさに、アメリカンドリームですね。
今のアメリカ国民にとっては、このように上昇エネルギーを感じさせる
オバマ氏の経歴はとても魅力的に見えるはずです。
今のアメリカには、このようなエネルギーが必要だという象徴だと思うのです。

■ アピアランス

やっぱり、Good Lookingは大きな影響があるでしょう。
若々しいルックスとたち振る舞い。
滑舌良く、かつエネルギッシュなスピーチ。
スマートで、都会的なスタイル。
アメリカでは肥満は出世に影響するという言う話は有名です。

■ スピーチ

オバマ氏が最初に注目されたのは、2004年上院議員に初当選し、
この年のイリノイ州における民主党党大会での基調演説だそうですね。
何といっても、オバマ氏のスピーチには定評があります。
選挙戦でずっと訴えかけていたのは、「Yes,we can!」「change!」という
エネルギー溢れるメッセージでした。


で、ここからが実は本論です。

大統領就任演説は、27歳のスピーチライターによるものだそうで、、、
いやぁ、若手が凄い仕事をしていますね。
ま、それは置いておいて、、、(本論、本論、、、)
演説の内容は、
「現状に対する危機感」と「国民の団結の必要性」
を訴えるものでしたね。

■ 戦略目標のシフトチェンジ

これまでの一貫した期待とエネルギーに溢れる演説トーンとは一線を画しています。
オバマ氏も、「選挙に勝つ」という目標は達成し、
次なる目標は「成果を上げる」ことにシフトチェンジしたものと思われます。

マーケティング的にみると、
「販売契約」は提携し、次は「顧客満足」を獲得すること。
そうしないと、リピート契約はありえません。

オバマ氏は明確に景気回復等々の成果を上げるという目標を達成するために、
国民にメッセージを発信したものと私は感じました。


■ サービスマーケティングの特性

サービスマーケティングの特性として大きな特徴は、
「体験前にサービス品質が見極めにくい」ことにあります。

我々のコンサルティングビジネスにあてはめて考えてみましょう。

私たちは、コンサルティング契約前に、様々な提案を行います。
クライアントは、契約に値する「期待値を予感できるか?」を評価しています。
つまり、顧客の購入意思決定は「期待値」を評価しているんですね。
これは、飲食店でも、美容院でも、ホテルでも同じです。
ま、一部ホテルなどは、ハード(ホテルの外観など)も評価対象ですが、、、
しかし、事前に品質が見極めにくいサービス産業全体に言えることです。

■ 顧客満足のジレンマ

そして、また難しいのは、期待値が高ければ高いほど、
顧客満足は得にくくなるというジレンマです。

そもそも顧客満足とは、
「事前期待に対して、実際の顧客ベネフィットとの相対的評価」
に基づいています。

営業的には、事前期待を徹底的に高めたい。
顧客満足の観点では、あまり期待値を高めると後々自分の首を絞める、、、

いやぁ、顧客満足は難しい、、、

■ 動機付け理論

ここで、企業として考えなければならない論点は、
 ・顧客は何をどこまで期待しているのか?
 ・どのような要素が顧客満足に影響するのか?
という期待と顧客満足の構成要素を明確にすることです。

動機付け理論に「動機付け-衛生理論」という考え方があります。
 【参考】http://jinjibu.jp/GuestDctnrTop.php?act=dtl&id=203

顧客の購買動機にもこれは当てはまり、
「最低満たしてくれないと大いに不満を感じる要因」と
「満たされなくても不満はないが、満たされると大いに満足を感じる要因」
という2種類の要因が、最終的には顧客満足に影響を与えます。

■ サービス産業としてクリアすべきこと

皆さんは、顧客の満足度要因を理解していますか?
そして、クリアしないとならない「衛生要因」と
その最低限実現しなればならない品質レベルを理解していますか?
さらに、グッと満足度を上げることのできる「動機付け要因」を
明確にしていますか?

そんな顧客心理の現実を理解することからサービスマーケティングは
スタートすると思うのです。


オバマ氏は、思い切り期待値を挙げて当選をしましたね。
これから、彼はとても厳しい顧客の評価にさらされることになるはずです。
今後に期待したいところですね。


株式会社シナプス 代表取締役 家弓正彦