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いよいよ、この「ジョブスに挑戦」シリーズも最終回となります。
これまで、書き綴ってきたことに加えて、プレゼン全体にわたって留意するポイントを整理してみますね。

(1)リアクション

プレゼンにはキーマンがいますよね。
プレゼンの際、皆さんはキーマンをマークしていますか?
気マンとは、プレゼンのGoalに大きく関与する意思決定権者といったところでしょう。
当然のことですが、そのキーマンには特別に訴えかける努力が必要です。
目線の向け方、語りかけ方、全てにおいてキーマン対策が必要です。

特に、私が心がけているのは、キーマンのリアクションチェックです。
以下の動きが見られたら、私は手元の資料にマーキングしておきます。
 ・肯定的反応(大きく頷く、、、)
 ・否定的反応(首をかしげる、、、)
 ・その他(メモをとる、隣の人と話をする、、、)
肯定的反応は、その部分をしっかりアピールすることに活用する。
否定的反応は、そこに何らかの質問や反論が寄せられる可能性がある。
今後の展開を予想させるキーポイントとなるはずです。

「メモをとる」といった行動は、肯定か否定か、不明ですが、
少なくとも、何らかの関心を寄せたポイントであることは間違いありません。
これも、しっかり把握しておくことをお勧めします。

こんなポイントを留意して、最大限の気を使いながら、
キーマンの共感を取り付けなければなりません

もちろん、キーマンだけでなく、全体へ目配りしておくことも必要です。
そして、オーディエンス全体の反応や空気感も把握しておきましょう。

(2)タイムマネジメント


プレゼンには、時間の制約があるはずです。
厳密には決められていないとしても、むやみに時間をかけすぎず、
適度な時間内に収めることは、プレゼン効果を高めるために重要です。

私の場合は、ページあたり想定時間を決めています。
ヒトによって試料の作り方が異なるので、一概には言えませんが、
私は、「1ページ、2〜3分」を目途に設計しています。

慣れないうちは、タイムチャートなどを作っておくのも良いでしょう。

でも、自分がどれくらいの時間、喋っているのか、
全く気に掛ける精神的余裕がないこともありますよね。

ここでも、基本は「緊張しない!」ことが大切です。(笑)

(3)ツール

プレゼンには、さまざまなツールが用意されています。
皆さんはどのように活用されていますか?

「指示棒か?ポインタか?」

私は「指示棒派」です。その理由は、「動き」が作れるからです。
逆にポインタは、手先だけを動かすのに対して、
指示棒は身体全体を動かすことができる。
結果として、「動作のダイナミズム」が生まれ、
強調点をアピールすることが可能となります。

しかし、最近では、「ポインタ付きリモコン」がありますよね。
PCの操作を離れた場所からできるので、会場を動き回ることができます。
会場によっては、これを活用することも有効です。

「マイクか?、肉声か?」

私は、可能な限り肉声でお話するようにしています。
やはり、生の声で語りかけることの効果があるように思うんです。

しかし、会場の大きさからどうしてもマイクが必要な場合もありますよね。
その際、マイクの使い方もちょっと気をつけましょう。
マイクをあまりクチに近づけすぎると、
出す声を小さめにコントロールしがちで、滑舌が悪くなりやすいんです。
少し話して、やはり大きな声で語ると良いと思います。

(4)姿勢と身だしなみ

「Action編」でノンバーバルコミュニケーションについて触れましたが、
やはり、「見た目」の影響力は大きいですよね。
背中を丸めて、くら〜い表情で、ボソボソ喋る、、、
これでは、相手にメッセージは伝わりませんよね。

ポイントは、背筋を伸ばすだけです。
ただ、逆に反り返ってしまってもよくないので、
上から見えない糸で、吊られている感覚です。

また、身だしなみにも気をつけましょうね。
アメリカの歴代大統領にはスタイリストがついていると言われます。
演説の際のネクタイの色にも、その時の主張が込められています。
「赤→エネルギー」、「青→信頼」といった印象を与えると言われています。

ジョブスは、カラーより、スタイリングで自己表現をしてるように感じます。
大抵、カジュアルでリラックスした雰囲気の装いです。
そこには、クリエイティブな印象を醸し出しているように思います。

(5)リハーサル

これまで、所々で「緊張するな!」と半分冗談交じりに述べてきましたが、
実は、この緊張がプレゼンの大敵ですね。
リハーサルは、この緊張緩和のために重要な役割を果たします。

ジョブスは、プレゼンの前日は念入りなリハーサルに相当の時間をかけるそうで、
やはり、相応の準備にエネルギーをかけているということですね。



【参考文献1】「感性がビジネスを支配する」
【参考文献2】「人は見た目が9割」

【関連テーマ】
プレゼンを科学する(序) スティーブジョブスに挑戦
プレゼンを科学する ジョブスに挑戦(1)「Prologue編」

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株式会社シナプス 代表取締役 家弓正彦



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