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昨年から1〜2ヶ月に一回、「家弓正彦の仕事塾」なるものを開催しています。


コンセプトは、ビジネスパーソンに有用なおはなし、、、
ま、家弓個人の道楽で始めたセミナーです。
毎回30〜40人程度の方と楽しい雰囲気で開催しています。


今回(2009.1.21.)は「ファシリテーション」というテーマで実施しました。
ビジネスシーンでは、ミーティングを仕切らなければならないこと、
多いですよね?


そんな会議も、
「結論の出ない会議」「終わりのない会議」のなんと多いことか!(嘆)
そして「一人で喋り続ける声の大きいヒト」や「ヒトコトも喋らないヒト」!
会議の生産性を上げるために、ファシリテーションは
ビジネスパーソン必須の技術だと思うのです。


私はファシリテーションを以下の構造で分類しました。
 1.ビフォア(ミーティングデザイン)
 2.オープニング(意識醸成/共有)
 3.インタラクション(拡散プロセス・収束プロセス)
 4.クロージング(合意形成)


今回は、
 「ビフォア」→「オープニング」→「拡散プロセス」
の流れについてお話したいと思います。


1.ビフォア


まず、皆さんは事前準備に十分なエネルギーをかけていますか?
会場で挙手してもらったところ、大体20%ぐらいの方の手が上がりました。


ゴールの設計
意外とこのゴール設計がちゃんと出来ていない方が多いんです。
ゴールを描いているつもりでも、これが曖昧だったり、、、
重要なのは、会議終了時を想定して、
「参加メンバーや組織がどういう状態になっていて欲しいか?」
をできるだけ具体化させることですね。


論点構成設計
そして、どのような論点展開でミーティングを進めるか考えます。
つまり、何を明らかにすれば結論が出るのか?ということですね。
これはイシューツリーを使って設計しておくといいと思います。
そして、その設計にはファシリテータが、
ちゃんと仮説を立てておくことがキモなんです。
ただ、仮説にこだわりすぎるとミスリードしてしまうので、要注意!


2.オープニング


開始時に実現しておきたい状況は、以下の4点にまとめることができます。
・コミットメント(目的、ゴールイメージ、前提の共有)
・論点ガイドライン(議論の範囲や論点)の共有
・活発な議論ができる空気感(アイスブレイク)
・発言ルールを決める(建設的な発言ルール)
ちなみに、私は発言ルールとして、
「Short/Simple/Straight!」「Answer First!」を訴えています。


3.インタラクション


そして、本格的にインタラクティブな議論に入ります。
議論展開は、論点ガイドラインに沿って、
一つひとつ論点をステップアップさせていくイメージですが、
その論点ごとに「拡散プロセス」と「収束プロセス」があるはずなんです。


拡散プロセス


拡散プロセスのキモは発言量。つまり議論の活性化を図ることが
ファシリテーターの重要な役割です。
発言の活性化にによって、視点や発想は多様性が増し、
分析や意思決定の品質が高まる効果が得られます。
逆に不活性だと、視点が偏り、分析にヌケモレが起きやすくなります。


さらに側面的効果として、メンバーが意思決定に参画したという
意識が生まれ、合意形成効果が得られます。


ただ、発言を促進することは意外と難しいものです。


<発言促進の技法>


・視点提供
その際、適切な視点を提供して思考の軸を作ってあげましょう。
例えば、
「集客力強化にあたり、広告について問題はありませんか?」
といった具合です。


・立場の特定
特定の立場のメンバーに対して、問いを投げかけるのも有効です。
「営業の立場からは、どのような問題意識がありますか?」
これは個人指名より、心理的にずっと答えやすいはずです。


・リフレーズ
また、発言をリフレーズ(オウム返し)することで、
発言者は「受け止めてくれた感」を感じとり、
発言することに対するモチベーションを挙げる効果が期待できます。
「認知度が低いというご意見ですね。営業の悩みがわかりますね。(^^)」


(質問その1)拡散の終了タイミング


ここで、参加者の方から質問がでてきました。
「いつ拡散を収束すればよいかに悩みます」
おっしゃるとおりですね。


私はいつも「強制シャットダウン」しています。
余程のことがない限り、当初の進行計画通りに進めます。
ただ、その時の拡散発言のルールがあるんです。
参加者は「重要だと思うことから発言すること」。
まだ言いたい事が残っていても、それはこれまでの発言と比較して、
重要度は劣っているはずなので、問題にならないことが多いです。
もちろん、後からどうしても追加したければ、すぐ戻る。
そんな「行きつ戻りつ」のしなやかなファシリテーションが有効です。


(質問その2)発言独占


また、質問が出てきました。
「声の大きいオジサンが議論を独り占めして困る」
というものでした。


長々と続く発言は、そもそも私の発言ルールに反しているのですが、
そういう方は意外と権力者に多いもので、(^^;
あまり一刀両断に「切る」ことはできなかったりします。


まず、なぜ話が長くなるのか?
 ・パターン1
  「伝えたい」「わかってほしい」という強い気持ちの表れ
 ・パターン2
   自説が頭のなかで整理できておらず、自信もない


こんな時にも「リフレーズ」は有効ですね。
話の切れ目で、内容を簡潔にまとめ、リフレーズするわけです。
そうすると、リフレーズ効果で、
「あ〜、言いたいことは理解してもらえたな」と
納得してもらえるはず、、、たぶん、、、(^^;


(質問その3)視点提供


「視点提供って言っても、どうすればよいかわからない」
うーん、おっしゃるとおりです。(汗)


発言の視点が偏らないようにコントロールするためには、
ファシリテータの力量が試されます。
ファシリテータは、状況を判断しながら、
メンバーに常に新たな視点を提供していく必要があるのです。
結構、高等技術ですよ、ハッキリ言って、、、(^^;


視点転換のパターンとしては、
 ・全体構造に立ち返る
 ・イレギュラーに着目する
 ・時間軸をずらす
 ・類似ケース、逆のケースに着目する
 ・敢えて、反対意見を引き出す
こんなパターンを私は使っています。


皆さんも考えてみてください。
そして、私にも教えてください。(笑)


 

一旦、今日はここまで、、、
ここまでで、
 「ビフォア」→「オープニング」→「拡散プロセス」
をカバーしました。


次回は、
 「収束プロセス」と「必要スキル」→「クロージング」
について、お話したいと思います。

【関連トピック】
会議が変わる!ファシリテーションの技術(2)


株式会社シナプス 代表取締役 家弓正彦





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