受講生は、研修に参加するだけで、
研修内容を自然と身につけられるわけではありません。

どのような心構えで研修に臨むのかにより、
学びの身につき方は変わります。

そこで当社(シナプス)では、研修の効果を最大にするための
「5つのルール」を受講生にお伝えしています。

研修を取りまとめる担当者は、
これからお伝えする「5つのルール」を
あらかじめ受講生に徹底してみてはいかがでしょうか。





研修を実施するにあたり、学びを最大化するための基本スタンスは、
主に5つのルールとしてまとめることができます

受講生5つのルール



【ルール1】 「とにかく発言する!」


言うまでもないことですが、
研修中はとにかく積極的に発言をすることです。

頭の中で考えているだけでは、
理解できているつもり、に終わりがちだからです。

理解できているつもりのことをいざ人に伝えようとしたときに、
うまく表現できない、思うように伝わらない
といった経験はありませんか?

これはまさに「理解できているつもり」で終わっている証拠です。

そこで一度自分の中に立ち返って、もう一度頭の中を整理し、
深く考え直してみることによって理解を促すことにつながるのです。

発言から学べることは、想像以上に大きなものです。
間違いを恐れずに発言し続ける必要があります。

もしも発言していない人がいたときは、
その人が発言できるように働きかけていくとよいでしょう。
他人に発言してもらうことも、自分自身にとって良い刺激となります。

参加メンバー全員が発言するルールを設けるなど、
発言することにこだわる姿勢がみられると素晴らしいですね。



【ルール2】 「とにかく書く!」


演習などでグループワークを行う際、一人ひとりの発言は、
受講生全員が目で見て共有できる形にしていきます。

つまり、すべての発言をホワイトボードなどに
書く(記録に残す)ことが重要なのです。

多くの企業では、研修やビジネスミーティングの場面で、
ホワイトボードなどの強力なツールを十分に活用できていないと感じます。

どんなに活発に議論が交わされても、
全く記録しないまま議論を進めていると、
過去の貴重な発言はどんどん忘れ去られてしまいがちです。

その場合、またはじめから議論をスタートしなければならない、
などということになりかねません。

メンバーの発言は貴重な情報です。
その情報をもとにして、あらゆるアイディアが膨らんでいきます。

発言を記録しないことは、
アイディアのきっかけを失うことでもあるのです。
だからこそ、とにかく記録に残し、記録を見ながらアイディアを膨らませ、
ホワイトボードに加筆修正を加え、建設的な議論へと展開していきます。

さらに理想的なのは、受講生全員がマーカーを持って
ホワイトボードの前に集まり、
各々がホワイトボードに書き込んでいくスタイルです。

ホワイトボードに記録していくとき、
綺麗に書く必要はありません。

意識すべきは、発言をとにかくたくさんメモしていくことなのです。



【ルール3】 「正解よりも本音で語る」


研修中は、正解を追い求めるよりも、本音で語ることが重要です。
なぜなら、ビジネスには唯一の正解がないからです。

たとえば、山頂を目指して登山することを考えてみましょう。
そのとき、山頂を目指す道は、何本もあります。

しかし、どのようなルートを辿っても、山頂を目指すことは可能です。
最短距離で急勾配を登っていくルートもあれば、
緩やかな勾配でゆっくりと登るルートもあります。

ハイリスク・ハイリターンも1つのスタイルであり、
ローリスク・ローリターンも1つのスタイルかもしれません。

つまり、ビジネスには唯一の正解がないからこそ、
メンバー一人ひとりが自分の本音を語り、
ビジネスの多様な見方や考え方に触れることで
視野を拡げることができるようになります。

ビジネスでは、唯一の正解を求めるよりも、
「自分はこのように考える」などと本音ベースの議論が交わされることで、
受講生同士で新しい発見を得られます。

よって、「自分なりの主張」や「自分らしさ」を大切にしながら、
自分の主張を本音ベースで語り合うことを促していきたいと思っています。



【ルール4】 「ロジックにこだわりぬく」


受講生の皆さんには、いつもロジックにこだわりぬくことを求めています。

ここで言うロジックとは、
「自分の意見の根拠はどこにあるのか」を考えることを指します。

前述のとおり、ビジネスに唯一の正解はないとしても、
しっかり根拠を整え、成功確率を上げていかなければならないのです。

しかし、こう言ってしまうとロジックにこだわりすぎて、
思うように発言ができなくなってしまうかもしれません。

しかし、それでは本末転倒ですよね。

そこで、根拠を考えるのは発言をしたあとからでも全く問題はありません。
最初は思いつきレベルでも良いので、どんどん発言し、
そのあとで「なぜ自分はそう考えたのか」と自問自答してみましょう。

その結果、ロジカルな思考は習慣化され、
論理的思考力も鍛えられていくはずです。



【ルール5】 「自分の仕事に置き換える」


研修内容は、その場で自分の仕事に置き換えて
イメージしていかねばなりません。

研修の振り返りでは「受講ラップアップ」として、
研修内容を実務にどのように活かすか、
を考えるように設計しています。

しかし、このラップアップは最後の概念化のプロセスに過ぎません。

受講生は研修中に新しいインプットや気づきがあれば、
「自分の仕事ではどこで、どのように使えるのか?」
を考えることが求められます。

講師を担当していると、
このような視点を持てているかどうかは、
講師への質問から判断できます。

たとえば、講師は受講生から、
「☓☓という業務を担当しているのですが、
☓☓というケースでは、どのように対応したらいいのでしょうか?」
などと、まさに自分の仕事に関連させた質問を受けることがあります。

このような質問は、
本当にこの研修を仕事に活かそうという姿勢が感じられ、
講師としてもとてもうれしい質問ですね。

研修にはあらゆる立場・役職の人が参加するため、
すべての立場を想定したケースを実施することが難しくなります。

だからこそ、最終的には受講生一人ひとりの応用力が求められます。
よって受講生は、実務のケースを想像しながら、
研修内容を活かすことが難しそうなポイントに気づき、
講師に質問として投げかけることが必要です。

講師は受講生から受けた質問に対して、
現場ではどのようにトライすべきかを、
あらゆる角度から回答してくれます。

講師に質問を投げかけることで、
受講生は研修内容が実務でどのように使えるのかを
実感できるようになります。



以上の「5つのルール」は、当たり前のようですが、
意外と漫然と研修受講をしていると
おろそかになりがちなポイントです。

私たち研修ベンダーは、
講座の冒頭部分でこのルールを示し、
受講生のマインドセットをしています。

研修事務局としても、
事前に受講生にこれらのポイントを告知して、
できるだけ多くの研修効果を持ち帰っていただくための
マインド醸成に取り組んでみませんか?



株式会社シナプス 代表取締役 家弓正彦


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