2-2スケルトン


骨組みを構築する3つのモデル


ここまでの作業で、受け手に伝えたい様々な情報が数多く列挙されたと思います。
  それらは全てカードで「見える化」されていますか?
  カード1枚には単文ワンメッセージになっていますか?
それでは、これをもとにまずプレゼンシナリオの大まかな骨組みを組み立てていきましょう。

ここで行ってほしい作業は、
洗い出された情報全体を眺めて、特に重要なキーメッセージを抽出することです。
書き出されたカードのなかには、コンセプトで考えた
受け手が抱える課題、ニーズ、提案ソリューション、その特徴など、
必ず受け手に伝えておかねばならない重要なキーメッセージがあるはずです。

これら重要な情報が書かれたカードをピックアップしましょう。

これらのキーメッセージを組み立てて、大まかな構成を考えることになります。
その構成には大まかに分類して、
 ・主張/根拠型
 ・目的/手段型
 ・全体/分解型

の3つパターンがあります。

この3パターンを活用して、プレゼン全体の構成を考えると良いでしょう。


<主張と根拠>
主張と根拠

プレゼンのなかで最もよく用いられる骨組みは
「主張」と「根拠」の関係から成り立つものです。
前述のプレゼンの本質の説明において、「納得が得られること」
とありましたが、その納得感を生み出すためには、
プレゼンの主張に明確な根拠が示されていることがとても重要です。


<目的と手段>
目的手段

目的と手段の関係でストーリーを構成しているケースもよくみられます。
例えば、分析の結果、解決すべき課題が特定されて、
それを目的とした解決策が示されるといった流れです。
特に、プレゼンの目的が具体的施策を提案する場合は
必ず目的と手段(具体的施策)をセットで整理しておくと良いでしょう。


<全体と分解>
主張と根拠

これは提案の全体像がいくつかのパーツによって
構成される場合に用いられるパターンです。
最初に提案の全体像を示して、その概要を説明します。
その後、各パーツの詳細を説明するという構成になります。
このパターンには時間軸で分解するというパターンも良くみられます。
例えば、3ヵ年計画を提案して、まず3年間全体の説明、
その後、各年度ごとの計画を説明するようなパターンです。



スケルトンでプレゼンシナリオを構成してみる


それでは、この3つのスケルトンパターンを使った事例を紹介しておきます。
今回のプレゼンの大きな提案は「動画配信事業への新規参入提案」です。
その提案をするスケルトンとしては、以下の構造で示すことができそうです。

<主張/根拠のスケルトン>
動画配信事業への参入を提案します。
なぜならば、この市場は大きな市場規模が期待できるからです。
この市場は今後とも更なる成長が見込まれています。


<目的/手段のスケルトン>
もちろん激しい競争が予想されます。競争に勝ち抜くためには、
我が社独自の技術力を活かすことで優位性が得られます。
ただし、知名度の低さは克服しなければならない課題として残っています。


<全体/分解のスケルトン>
我が社のサービスの特徴としたい点は2つ挙げられます。
ひとつは、画像品質に優れること
そして、もうひとつは長時間の動画が扱えることにあります。


主張と根拠例 全体分解例 目的手段例


いかがでしょうか?流れるようなストーリーが出来そうですよね?


ロジックのチェックをしよう!


こういったプレゼンの大まかなスケルトンを考える作業を
「情報の構造化」と呼んでいます。
この作業は論理的に情報と情報の関係性を構築していくことが求められます。
ここで陥りがちなミスとしては、次の3つのパターンが考えられます。
これらはプレゼンに対して納得感を損なう原因となりやすいので、
一度チェックをしておくと良いでしょう。

<根拠不足>
主張に対して根拠が示されていない、根拠不足で説得力がない

<ヌケモレ>
目的を達成するには、十分な打ち手が示されておらず成果が期待できない

<分解レベル>
部分的に荒削りな分解に終わり、具体性が欠けている

ロジックチェック


大まかなスケルトンが完成したら、あらためてこのような現象が起こっていないか、チェックしてみましょう。








株式会社シナプス 代表取締役 家弓正彦





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