目的ゴール設定


コンセプト立案の最後のパートです。

このプレゼンの目的、ゴールとしてのプレゼン終了後の状態

を明確化しましょう。


プレゼンのゴールは、受け手に何らかの変化を起こさせることにあります。
営業シーンにおけるプレゼンであれば、
「よし買ってみよう」という購買意欲の変化であったり、
購買の決裁を起こすという行動の変化であったりします。

その他、報連相など情報共有のためのプレゼンであれば、
問題意識の共有、的確なフィードバックなどを期待しているでしょう。

プレゼンの全ての要素は、このゴールを実現することを目指したものであり、
そこに一貫性を持たせたものでなければなりません。

ゴールを検討するために、
ここではマーケティングで用いられる「AIDMAモデル」をご紹介しましょう。



AIDMAモデル
AIDMA(アイドマ)モデルとは、態度変容モデルと言われ、
顧客が商品サービスを購入するプロセスを
5つのステップに分解して表すフレームワークです。

AIDMA


一般に企業のプロモーション活動は、
その商品の存在も商品名も知らない顧客に対して、
最終的に購入してもらうことを目指します。
そこに至るまでを5つのステップに分解して捉えています。

Attention

まず第1ステップは「Attention」。
その商品の存在や名称も知らない顧客に対して、
まず最初は「知ってもらう」こと、つまり「認知」が
最初のゴールとして設定されます。

Interest

認知しているだけでは購入には至らないので、
次の第2ステップでは、その商品の特徴などを理解し、
興味(Interest)を持ってもらうことを目指します。

Desire

そして第3ステップで単なる興味関心を、
もっと具体的な「欲しい、買いたい」という欲求(Desire)に
つなげていくことを促していきます。

Memory

欲しいと思っていても、つい買いそびれていると、
結局、忘れ去られ、買わずじまいで終わってしまうこともあります。
第4ステップとして、その欲求をしっかり記憶(Memory)に留めることを目指します。
場合によっては、忘れないよう時々リマインドする活用も必要です。

Action

そして、第5ステップで、最終目的となる購入するという行動(Action)を起こしてもらうために、
最後のワンプッシュで背中を押すことが最終目的となります。

つまり、マーケティングのプロモーション政策は、
この5つの目的を一つひとつクリアするように施策を検討していきます。

プレゼンも全く同じですね。
いきなり最初のプレゼンでクロージングをかけるとは思えません。
例えば、シナプスの研修事業の営業プレゼンにあてはめて考えてみましょう。



シナプス営業プロセス


初回訪問プレゼン

初回訪問時に行うプレゼンでは、
会社紹介やサービスの紹介などを行い、まずわが社がどのような研修を
提供できるかについての認知(Attention)を取り付け、
少しでも興味(Interest)を持ってもらうことがゴールとなるでしょう。

一次提案プレゼン

そこで、興味を持っていただけたら、次に一次提案となります。
そのお客様向けの提案を作成し、
一次提案ではまず当方からのたたき台となる提案をプレゼンします。
そこでのゴールは、受け手の問題意識を喚起して
弊社への依頼したいと思わせる(Desire)ことにあります。
同時により良い提案となるようフィードバックをもらい、
最終提案に臨みます。

最終提案プレゼン

その最終プレゼンでは「依頼しよう!」と
意思決定(Action)してもらうことがゴールです。
さらに、具体的な予算の獲得やスケジュール調整といった
行動を起こしてもらうことも必要になります。


このようにプレゼンの目的・ゴールを明確に描き、そこに向けてプレゼンを行う。
徹底して、そのゴールを意識し続ける。その実現を目指すということになります。


これは、社内向けのプレゼンでも同様に考えることができるかもしれません。

社内の改善プロジェクトのようなものでも、

 【Step1】 まず幹部に問題意識の共有を図り、
 【Step2】 その解決に対する方針や対策概要の合意を取り付け、
 【Step3】 最終的には詳細プランを示し予算を確保する


といった流れとなるかもしれません。
一気に意思決定してもらうのではなく、段階的にアプローチしていくわけです。
AIDMAモデルにあてはめれば、以下のように示すことができそうです。


問題解決プロセス



要するに、オーディエンス分析で見出された
「現在の受け手の状態(Before)」に対して、
「プレゼン後の受け手の状態(After)」を具体的に描くことになります。

必ずしも無理やり「AIDMAモデル」に当てはめる必要はありません。

今回のプレゼンでは、どこまで相手に変化してもらいたいのか?
現実的なオーディエンスのBefore/Afterを明確にし、
この変化を起こすことがプレゼンの最終目的であることを強く意識し、
改めてそのためには何をすれば良いかを明らかにしていきましょう。





株式会社シナプス 代表取締役 家弓正彦




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