ニーズ分析


オーディエンスのニーズは、目的で考えなければならない
これが前回お話しした内容です。

参照記事:
【プレゼンコンセプト立案のために】オーディエンスの本質的欲求はどこにあるのか?「ニーズ分析 その1」

今回は、その具体的な分析イメージをご説明しましょう。


上位目的を問い続ける


ニーズを把握し、提案方針を定めるにあたって難しいのは、
手段と目的の関係は連鎖しているという点です。

下図をご覧ください。
上位目的


仮に、顧客から「値下げ」を要求されたとすれば、
必ずその目的を考えてみましょう。

それは「仕入原価の低減」が目的と言えるでしょう。
その目的を実現するためであれば

「低価格品の置き換え」

という提案もできそうです。

さらに「仕入原価の低減」の目的は?と言えば、
「コスト競争力の強化」と考えられそうです。
そうすると仕入原価よりも大きなインパクトのある

「生産プロセスのコストダウン」

について提案することができそうです。

さらに最上位には「収益力強化」という目的がありそうです。
すると、激烈な価格競争が起こっている現在の市場ではなく、

もっと高収益が期待できる「高付加価値市場に力を入れましょう」

という提案が考えられます。

上位目的を考え続けることによって、
提案のポイントにはいくつかの選択肢があるはずです。
場合によっては「低価格品の置き換え」と「生産プロセスコストダウン」
の両方を合わせた総合提案とすることもできるかもしれませんね。



相手の立場を考える


しかし、これも相手の立場をよく考えて提案方針を考えてください。
購買の窓口の担当者が「値下げしてくれ」と言っているのに、
「御社は高付加価値市場に力を入れるべきですよ」と熱弁をふるっても、
「そんなことはいいから早く見積もり出してよ」と言われるのが関の山。

やはり相手の立場にマッチした提案を考えなければ受け入れてもらえませんよね。
そんな時には、相手の直上の上司くらいの目線で提案を考えると良いのです。

購買窓口の担当者に提案するなら、その上司の購買課長の目線に立って提案するのです。
例えば
「今購入いただいている部品の用途を分析すると、
全体の3割は低価格品に置き換えても製品品質に問題はありません。
この置き換えで約10%のコストダウンとなるはずです」
といった提案が出来そうです。

これを担当者から上司である購買課長に提案をしてもらって、
担当者の手柄をあげてもらいたいですよね。
そうすれば担当者にはとても喜んでもらえそうです。
ま、だからと言って値下げせずに済むかわかりませんが、、、(笑)


ここまでのまとめ


プレゼンテーションにおけるニーズとは、
受け手が実現したい目的にあります。

つまり、今回のプレゼンの受け手は、
目的としてどのような姿、状態を実現したいと思っているのか?
を明らかにしなければならないのです。

そしてその結果、私たちプレゼンターは
その受け手が目指す姿を実現するためのベストソリューションを考え、
提案することが求められているわけです。


前述の「上着が欲しい」と言っている顧客に対して、
「隣に暖かい会場が用意できます。会場変更をしましょう」
という提案ができれば、
それは顧客の期待を超える素晴らしい提案になると思いませんか?



私たちはビジネスのプロフェッショナルとして

顧客の目指すべき姿を明らかにして、

それを実現するためのベストソリューションを考え、

提案していくことが求められているのだと思います。





株式会社シナプス 代表取締役 家弓正彦




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