ニーズ分析



プレゼンコンセプト立案に向けて、まずオーディエンス分析を行いました。
そこでさらに、もう一歩掘下げて「ニーズ分析」を行う必要があります。

受け手はどのような欲求を持っているのか?

本プレゼンに何を期待しているのか?


といったことを明らかにしなければなりませんよね?

それは、私に対して「専門的知識」を期待しているのかもしれないし、
「課題解決に対するアドバイス」を欲しているのかもしれません。

あくまでプレゼンは、この受け手の欲求に応えることが目的なのです。

これを考える時のちょっとしたコツとしては、
 「そもそも今回のプレゼンの受け手は、
 なぜ私にプレゼンの機会を与えてくれたのだろうか?」

と自問自答してみると良いかもしれません。

そこには何らかの期待が込められているはずです。



そもそもニーズとは何か?


ニーズと言う言葉はビジネスシーンの中で
何気なく当たり前のように使っていますよね。
しかし、この普段何気なく使っているニーズとは非常に奥深いものです。
ここでニーズとは何か?その本質について考えておきましょう。

一般に、
ニーズとは「顧客が欲していること、欲しているもの」
と表現されることが多いようです。

それでは下記の状況を考えてみてください。

<状況>
季節は冬。あなたはセミナーを受講しています。
しかし、エアコンが壊れているとのことで、会場がとても寒くてたまりません。
あなたならどうしますか?


<欲求>
 <選択肢1> 上着を借りる
 <選択肢2> ヒーターを用意してもらう
 <選択肢3> 使い捨てカイロを配ってもらう


様々なアイディアが欲求として考えられますよね。
これらはあなたが「欲しているもの」です。

ということは、あなたのニーズは
「上着?」、「ヒーター?」、「使い捨てカイロ?」
にあると考えてよいでしょうか?



ニーズは目的で考える


ちょっと違いますよね?

あくまで本質的に望んでいるのは、

「暖かい快適な環境でセミナーに集中したい」

という状態だと考えられます。

それでは、欲求として考えられた
「上着」、「ヒーター」、「使い捨てカイロ」
は何だったのでしょうか?

これらは、
「暖かい快適な環境でセミナーに集中したい」
という目的を実現するための手段にすぎません。


あくまで本質的なニーズは目的で考えなければならないのです。



しかし、ニーズを捉えるにあたって難しいのは

「顧客が語ってくれるのは意外と手段であることが多い」

という現実です。

顧客が口にする
「こんな製品の購入を検討しています」とか
「こんな機能が必要です」といった言葉は
全て手段を表現しているにすぎません。

上着が欲しいと言っている顧客に上着を提供することは簡単です。
その手段に応えているだけでは、競合と差別化することは難しいでしょう。

私たちは顧客の言葉をそのまま受け止めてしまうだけではなく、
本質的な欲求を見極めることが

「勝てるプレゼンテーション」

のカギと言えそうです。

次回は、さらに掘り下げて「ニーズ分析 その2」と題して、
「ニーズの本質に迫り、相手の期待を超えるために何をしなければならないか」
を徹底的に考えていきたいと思います。



株式会社シナプス 代表取締役 家弓正彦




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