最近、KPIマネジメント導入を支援させていただくことが増えています。

KPIとは、Key Performance Indicatorの略で、重要な定量指標を意味します。
つまり、KPIマネジメントは、業績の向上に向けてカギとなる要素を抽出し、
それを定量的な指標として管理するしくみを指します。

今回はその基本的な考え方を紹介します。
基本的なKPIマネジメントの流れは、
  1. プロセス分析
  2. KPIの設定
  3. モニタリング
  4. 対策立案・実行
という4つのステップから構成されます。

プロセス分析

そもそもどのようなKPIを設定したらよいのでしょうか?
そのためには業務プロセスを時間軸で分解してみましょう。
営業を例にとって説明してみます。

<営業プロセスの一例>

営業基本プロセス

Step1:まず、見込客をリスト化し、テレアポによって顧客にアプローチします。
Step2:簡単に自社サービスを紹介し、そこから訪問の約束をとりつけます。
Step3:初回訪問で、自社サービスの特徴をアピールし、提案機会を獲得します。
Step4:プレゼンを実施し、先方の要求と調整。取引条件交渉などを経て受注獲得。
まず、営業プロセスが進展していく流れを明確化することから始めましょう。

KPIの設定

マネジメントの目的は、このプロセスの現実を把握することにあります。
その現状把握のためには、どのようなKPIが有効しょうか?
各プロセスを定量指標化するには、量的KPIと効率性KPIの視点から考えると良いでしょう。
この場合、下記のようなKPIが考えられるはずです。

営業プロセス

そして、これを「成功の方程式」として描くと下記のように表現できます。

成功方程式

この定量指標をしっかり押さえておけば、営業現場の実態が概ね把握できるはずですよね。

モニタリング

KPIを組み合わせた「成功の方程式」ができれば、
あとはそれを定期的にモニタリングすることになります。

そのタイミングは、日次・週次・月次など様々です。
これは、商材や顧客特性によって適切なモニタリング期間が必要となります。
モニタリングによって、常に営業現場の実態を把握できます。
定点観測することで、問題が発生しても早期に発見できるはずです。

例えば、「受注実績が伸びていない」という現象が起きていたとします。
KPIマネジメントを徹底していれば、その原因が「テレアポ不足」か、
「訪問数不足」か、「提案件数不足」かを明確にすることができます。

KPIGAP

この場合、受注実績の問題は「提案件数」に原因があることがわかりますね。

対策立案

現在抱える問題の原因が明確になれば、的確な対策を立案し、迅速に実行に移せます。
先ほどの例で考えれば、下図のように各KPIを向上させるための対策が考えられるでしょう。

KPI対策


もちろん対策立案には、数値だけでは表せない定性的な情報も必要となります。
また、他の営業マンがどのように行動しているか?工夫をしているか?
といったナレッジも活用して、有効な対策を考えたいところですね。

まとめ

PDCAを実施する際、KPIマネジメントはマネジャーに的確な情報を与える武器と言えるでしょう。
問題を抱えていない組織など存在しません。
現代の競争環境は、発生した問題とその原因を発見し、対策を立案するスピード競争の時代にあると言えそうです。

是非、戦略的にKPIを体系化し、常に「見える化」することをお勧めしたいところです。



株式会社シナプス 代表取締役 家弓正彦
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