これまで、動機づけに関わる人間の欲求は5つに分解され(欲求五段階説)、
その影響要因にも「動機づけ要因」と「衛生要因」という特性がある(2要因理論)、
また、人間の特性も「X理論」「Y理論」という2側面を持っている、、、
というお話しをしてきました。

その中で、やはりY理論に立って目標を立て、
その達成に向かって自ら積極的に取り組む動機を生み出すことが
とても大切だとわかってきました。

そこで今回は「目標設定理論」をご紹介します。

(4)目標設定理論(ロック)

これまでの解説からも、目標設定は動機づけに有効であることがわかりますが、
ロックは、その目標設定の仕方が大きくモチベーションに影響すると提唱しました。

それは、本人が目標を受け入れた場合、
「明確な目標」であり、かつ「高い目標」であることが望ましいとしています。

明確な目標とは?

これには2つの意味合いがあります。

ひとつは「仕事の意義や目的の明確化」です。
なぜこの仕事が必要か?
その仕事の本質的目的は何か?
この2点をしっかりと本人に理解させることが重要なわけです。

もうひとつは「達成目標の具体性」です。

「なる早でお願い!」、、、これでは抽象的ですね。
目標が達成できたのか?未達に終わったのか?もよくわからない。
明確に「今週中にお願い!」といった具合に明確に達成度を示したいものです。


中間目標(マイルストーン)を設定することで、
さらに目標の具体化が図られます。
「まず今日中にここまで完成させて、、、」
「最終的には今週中に仕上げよう!」
といったプロセス目標があると具体的ですよね。

高い目標設定

ここで「パーキンソンの法則」を紹介しておきます。
低い目標設定をすると、無意識のうちに自分のエネルギーを調整して、
結果として低いパフォーマンスに留まってしまうという法則です。

また、より達成が困難な目標の方がヒトは工夫や努力をし、
モチベーションも高まりやすいという考え方ですね。

よって高い目標設定をすべきである、、、というのがロックの主張。

しかし、これには前提があります。
あくまで本人のコミットメント、納得感が得られている状態であることが条件。
無理やり押し付けられた高い目標では、モチベーションは下がりますよね。


<目標設定のしかた>

目標設定理論


目標管理制度

この理論をもとに、目標管理制度が多くの企業で導入されています。
しかし、上手く目標管理が運営できていない企業は、
目標設定の部分がしっかり行われていないように感じられます。

マネジャーは組織の目標達成のためにメンバーに高い目標を課したい、
メンバーは目標達成確率を上げるために低めに目標を抑えたい、、、
そのコンフリクトの中、十分なコミュニケーションをもとに、
メンバーの動機を上げ、コミットメントをとりつける。
それがマネジャーに求められる目標設定プロセスだと思うのです。

要は、マネジャーとメンバーの間のコミュニケーションがキモ。
意外とこのコミュニケーションをおざなりにしていませんか?



株式会社シナプス 代表取締役 家弓正彦
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