マズローの「欲求5段階説」によって、ヒトの欲求を5つに分類しました。
さらに前回は「2要因理論」によって、
その動機づけ要因にも2つの特性があることを説明しました。

しかし、動機づけを受けるメンバーも複雑な個性を持った「人間」です。
人間の内面には2つの顔があるとしたのが、「X理論Y理論」ですね。・

(3)X理論Y理論(マクレガー)

全く異なる2つの視点から人間の特性を見たのが「X理論Y理論」です。

■ X理論
人間は本来仕事をするのが嫌いであり、強制や命令をしないと動かない。

■ Y理論
仕事をするのは人間の本性であり、自ら設定した目標に対しては積極的に働く。



X理論型の代表的マネジメント手法がアメとムチによる管理です。
働けばアメが与えられるし、サボればムチが待っている、、、
したがって、人間は嫌いな仕事も仕方なく遂行することになります。

しかし、Y理論型マネジメントでは、メンバーに目標を決めさせ、
その達成に向けて動機づける「目標管理制度」がこれに相当するでしょう。


一般に、X理論型マネジメントばかりやっていると、
「ゴーレム効果」が生まれると言われています。
この「ゴーレム効果」とは、、、
自ら仕事することを期待しないことによって相手も期待に応えなくなる。
つまり「ヒトに言われないと動かないヒトが育つ」と言われています。

逆に、Y理論型マネジメントを行うことで生まれるのが「ピグマリオン効果」です。
これは、期待することによって、ヒトは期待に応えようと努力するということ。
この結果、自ら進んで行動する人を育成すると言われます。


 XY理論


こう見ると、Y理論に立ってマネジメントすることが望ましいように思えます。
しかし、本当にそうでしょうか?
これはよくイソップ寓話の「北風と太陽」に例えられます。
北風が力いっぱい吹いても旅人は上着をしっかり押さえ、
服を脱がせることはできなかった。
一方、太陽が燦々と照りつけると、暑さのあまり旅人は上着を脱いだ。
チカラ比べは太陽の勝ち、、、というもの。
ここから得られる動機づけの教訓は、
ヒトを行動させるためにはアメとムチのような強制力ではなく、
自らの動機を高めることが重要だというY理論型マネジメントの重要性です。

しかし、実は「北風と太陽」には、有名な上記の話しの前に、
旅人の帽子を脱がせるというチカラ比べをしたという話もあるのです。
太陽が燦々と照りつけると旅人は暑さのあまり、帽子を決して脱ごうとしなかった。
次に北風が力いっぱい拭きつけると、簡単に帽子は飛んでしまった。。。
この話の教訓は「モノゴトには適切な手段を選ばなければならない」というもの。
ヒトによってパーソナリティは異なるし、仕事にも様々なものがある。
それぞれの状況に応じて、X理論Y理論を使いこなさなければならない、、、
というのが結論のようです。


しかし、いずれにしてもY理論に基づいた「目標管理」は重要なモチベーション施策です。
次回は、その原点となった「目標設定理論」をご紹介しましょう。



株式会社シナプス 代表取締役 家弓正彦
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