前回は、マズローの5段階欲求説について書きました。
しかし、大きく5つに分解した欲求にも2つのタイプがありそうです。
それを明確にしたのがハーズバーグの「2要因理論」です。

(2)2要因理論(ハーズバーグ)

ハーズバーグは、動機づけに影響する要因にも2つの特性、
「衛生要因」「動機づけ要因」があると説きました。

衛生要因とは、満たされないと不満を感じる。
しかし、満たされても必ずしも動機づけられるとは限らない要因。
逆に、動機づけ要因とは、満たされなくても不満にはならないが、
満たされることによって、大きく動機につながっていく要因。

わかりやすく言えば、動機づけに影響する要因には、
満足を促す要因と不満に繋がる要因があるということ。

これを「恋愛」に当てはめて考えてみます。
恋人(あるいは奥様)に満足してもらうために、何をしますか?


1.「予期せぬプレゼント」

これはいいですねぇ。きっと喜んでくれることでしょう。
しかし、予期せぬプレゼントがないと不満をこぼすことはないでしょう。
つまり、これは「動機づけ要因」の特性が非常に強い要因ですね。

2.「愛情表現」

「好きだよ、、」なんて甘い言葉は言いづらいところですが、
やっぱり言われれば嬉しいですよね。
これも動機づけ要因としての特性が強いと思われます。
しかし「私のこと、好きなのかさっぱりわからない」という状態では、
やや不満も生まれてくるかもしれませんね。

このように、ひとつの動機づけに影響する要因にも、
動機づけ要因特性と衛生要因特性が併存しているわけです。

3.「会話の楽しさ」

会話が楽しければますます好きになっていくし、退屈なら愛情も冷めてくる。
つまり、これが動機づけ要因としても、衛生要因としても、
プラス/マイナスに大きく影響を及ぼすタイプの影響要因です。

4.デートの頻度、マメな連絡

これらはやたら多くても必ずしも満足度が上がるとは限りませんね。
でも、連絡もない、デートもしていない状態では、
恋人から愛想をつかされる可能性大ですね。
これらは典型的な衛生要因ということになります。

チャートで表現すると下記のイメージとなります。

2要因理論

この帯グラフの左右全体の長さが「動機づけ全体に影響する強さ」。
右側の長さが「動機にプラスに働く影響度」、
左側の長さが「動機にマイナスに働く影響度」と考えると良いでしょう。

ここから得られる示唆ポイントは、
・衛生要因はメンバーが求める最低品質を守る
・逆に言えばそれ以上の過剰投資は必要ない。
・投資余力があるなら動機づけ要因に投資すること。

ということになりそうです。


実は、この考え方はマーケティングの「顧客満足度」にも適用できます。
顧客の総合満足度に対し、プラスに働く「動機づけ要因」と
マイナス(不満)に働く「衛生要因」があるわけです。
「2要因理論」の基本をしっかり理解しておくとこんな応用もできるはずです。

今回は、動機づけ要因の2つの特性を解説しました。
しかし、動機づけられる人間も2つの側面を持っていると考えられます。
そこで、次回は「X理論Y理論」を解説しますね。


あっ、あとこの恋愛の事例はあくまで家弓独断によるものですから、
恋愛に関する責任は一切負いませんけどね、、、笑



株式会社シナプス 代表取締役 家弓正彦
Follow me ! → http://twitter.com/Kayumi
家弓正彦率いるシナプスの企業研修一覧ページはこちら
シナプス公式フェースブックページはこちら