文章ストーリーの基本として「起承転結」は有名ですよね。
これは、プレゼンテーションや企画書などのシナリオにも
使えるストーリー展開の基本です。
以前「魅力的な文章を書くテクニック」でもご紹介しました。
再掲しておくと、
起:まず導入部分。問題提起などという流れです。
承:それを受けて詳細の解説
転:関心を呼ぶ新たな展開
結:話の締めくくり、結論
しかし、起承転結の使い方をしっかり理解しているヒトって
意外と少ないんじゃないかなと感じています。
私自身もあまり明確に理解していなかったようです。
しかし、最近見た映画「笑の大学」(三谷幸喜脚本)では、
見事にこの起承転結のストーリー展開で視聴者の心をわしづかみにしています。
そして映画の面白さと同時に、起承転結のお手本を見たように感じました。
シナリオ構成を考える際の参考事例としてご紹介しておきますね。
ということで、以下一部「ネタバレ」です。ご注意ください。
<舞台設定>
「笑の大学」の舞台は、太平洋戦争への道を歩み始めていた昭和15年。
演劇は警察の検閲で許可された作品だけが上演を許されていた。
<起>
喜劇作家と検閲官のやり取り。
検閲官は最初から喜劇を低俗なモノと決めつけ、
上演を中止させるために無理難題をふっかける。
<承>
繰り返される台本の書き直し。喜劇作家はひたすらそれに応じる。
無理難題に応えることによって、台本はますます面白くなっていく。
いつのまにか、検閲官も一緒に台本づくりに夢中に、、、
結果、検閲官は上演を許可しようとするのだが、、、
<転>
一転、検閲官は自分の立場を忘れていたことに気づく。
我に返った検閲官は、やはり何としても上演中止させるために
最大最強の無理難題をつきつける。
<結>
やはり最高に笑える台本ができあがる。
そして、その結末は、、、
さすがに「結」は具体的な解説を避けましたが、見事な「起承転結」ですね。
「起」の部分で、静かに時代背景などを描写しています。
この時代背景を理解し、問題意識を持ってもらうことが狙いとなっています。
それを「承」けて、検閲官と喜劇作家のやりとりが盛り上がっていきます。
この「承」の部分で面白いのは、検閲官の態度の変化ですね。
ストーリーにグッと惹きつけられます。
ここで話しが「転」じることで、ストーリーに変化が生まれます。
「検閲官の態度が元に戻る」という意外な展開で、聴衆は期待を裏切られ、「え〜っ」となる。
「承」で話しをまとめても十分面白い作品だと思いますが、
やはり、一度ストーリーを「転」じることで、面白みが増しますね。
そして、最後の「結」でグッと聴衆を感動させる結末に、、、
ストーリー展開の基本を見事に描き、起承転結の使い方を教えてもらいました。
三谷幸喜さん、どうもありがとうございました。
株式会社シナプス 代表取締役 家弓正彦
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コメント
コメント一覧
物語の結末が転、結は好いんです。
皆さん、良く間違われているのですが…。
×好いん
◯余韻
です。失礼しました。