某ビジネススクールで講師を始めてから10年余りになる。
「教える」と言うことはとても愉しい。
自らの知をヒトに伝授するという行為はとてもクリエイティブだ。
しかも、自分の学びにもなる。

実際に、講師業を始めてから私のコンサルティングスタイルは大きく変わった。
それまで以上に基礎理論を駆使し、それを応用したアプローチを採るようになった。

また、ファシリテーションという意味でもとても学びは大きかった。
ヒトの関心を惹きつける、意見を引き出す、考えさせる。
難しいことだが、私なりのテクニックを身につけることができた。

しかし、マーケティングカレッジを立ち上げるのに、
何よりも大きな影響力を持っていたのは、受講生の声であった。

「もっとマーケティングを勉強したいのですが、、、」

当時は実践的なマーケティングを学べる場はなかったといっても
過言ではないと思う。

「だったら、自分で作ればいいじゃないか!」

マーケティングの面白さは多くのヒトに知ってもらいたかった。
そして、自分も教えることの愉しさを知っている。
たまたま知人のマーケターとも意気投合して、
極めて安易に思い立つことができた。

しかし、最初にカリキュラムや教材を作るのは大変だった。
全10回のクラスの構想を考えてからは、ほとんど準備期間を設けずに
スタートを切ってしまったので、次回のテキストを作っては、
自分で講義し、そしてまた次回のテキストを作る。自転車操業だ。

それから紆余曲折6年が経つ。
少しずつカリキュラムを改良してきたが、
まだまだ良いものが作れると思っている。

これからも初心にかえって、
マーケティングの伝道に少しでも役に立てれば、
この上ない喜びである。

Kay