企業は変わりたくて依頼してくる。
変えられなかったら、コンサルタントに価値は無い。
こんな当たり前のことに気がつくのに結構時間がかかりました。

外資系企業の新規事業案件で「顧客の懐に入り込んだ」仕事をしてから、
私のコンサルティングスタイルは大きく変わったんです。
以前は「あるべき論」にとらわてしまうことも多かったように思います。
一般論を語ったり、教科書のようなことを説いてしまったり。
こうなってしまうと、クライアントの「現実」から乖離した提案しかできません。
新規事業に関わって強く感じたのは、
「企業は問題意識を持ってるからコンサルタントに依頼しているのに、会社を変えられなかったら自分の存在価値はゼロだ。」ということでした。

どんなに正論を振りかざしても、実現可能性がなければ意味がない。
相手にとって、とても受け入れられないことを言って、否定されてもゼロ。
かといって完全に迎合してしまってはそれも価値はない。
クライアントが変わるための、いい距離感を作っていかなければいけない・・・・。

それからというもの、仕事の依頼を受けた時、
最初に心がけるのは、まずは本音で語れる関係を作ること。
何が受け入れられて、何が受け入れられないのか?を本音で言い合える、
また、私の言うことに一旦は耳を貸そうという関係を作ること。
ゆえに大抵の場合、すぐに飲みにいっちゃいますね(笑)。

表面的な情報だけではクライアントの抱えている課題や思惑など、
こちらから積極的に関係を作りにいかないと本音はわからないものですよ。
そんなふうに仕事をしてきたからか、
独立してからの仕事は口コミで広がってきたものが多いんです。
今のスタイルは、あの頃気づいたことのうえに成り立っているんですね。

Kay