これまで渾身の「25の発想技術」をご紹介してきました。
それを最後に総括してみたいと思います。
まず、25の技術を大きく分類すると次の5つに類型できそうです。
■ 連想技法
ヒトがもともと持っている発想をもとに、少しずつ発想をズラして考えることで、
徐々に新しいアイディアを創造する技法です。
少しずつズラしていくので、最初から大胆なアイディアは生まれにくいですが、
「なぜヒトは発想が苦手なのか?」で述べたように、
なかなか斬新なアイディアを生み出すのが苦手な人にとっては、
無理なく取り組める技法と言えるでしょう。
(1)ブレインストーミング
(2)ノミナル・ブレインライティング
(3)インタラクティブ・ブレインライティング
(4)アフィニティ・ダイヤグラム
(5)マインドマップ
【参照】
発想技術25選(1)〜ズラシの技術
発想技術25選(2)〜発想のために整理せよ
■ 論理技法
論理的思考と創造的発想は相いれないもののように感じるかもしれませんが、
決してそんなことはなく、論理的に考えて発想を広げることが可能です。
まず全体像をしっかり把握したり、
ゴール(目標)や原因を論理的に考えることで、
弱いと思われる神経回路を補うことができるのです。
(6)パーパス・リスト
(7)ウィッシュフル・シンキング
(8)トヨタ式5W1H
(9)フィッシュボーン・ダイアグラム
【参照】
発想技術25選(3)〜論理で発想
■ 意識転換技法
ヒトには必ず発想のクセがあります。
そのクセを補うためには、意識そのものを変える必要がありますね。
しかし、意識を変えることは決して容易ではないため、
これらの技法は意識の持ち方を分類してパターン化して示しています。
敢えて、自分の意識をこれらの様々なパターンに当てはめて、
これまでとは異なる意識、発想パターンに挑戦してみましょう。
(10)MTBI
(11)鳥の目、蟻の目、魚の目
(12)シックス・ハット
(13)立ち位置転換
(14)交流分析とエゴグラム
【参照】
発想技術25選(4)〜意識を変える技法
■ 組合せ技法
これは異なる事象を「発想を飛ばすためのヒント」にする技法です。
全く関連のないキーワード、全く異なるルール、全く異なる分野の比喩
などなど、関連がないからこそ、全く新しい発想が生まれる可能性があります。
(15)サーチ・アンド・リアプライ
(16)フォールス・ルール
(17)ランダム・エントリー
(18)クレイジー・ブレスト
(19)メタフォリカル・シンキング
【参照】
発想技術25選(5)〜組合せの技法
■ 入替え技法
現状の製品などをもとに、その製品特性の一部を入れ替えて発想する技法です。
いきなり製品全体を全く新しいものにすることを前提に発想するのは、
とても困難ですが、部分的に入れ替えるのは比較的容易です。
まずは、製品特性分解、そして一部を入替え、最後に全体を考える。
そんなプロセスを辿ると、新しい発想が生まれやすいんですよね。
(20)アサンプション・スマッシング
(21)アトリビュート・リスティング
(22)5W1H
(23)オズボーンのチェックリスト法
(24)SCAMPER
(25)ラテラル・マーケティング
【参照】
発想技術25選(6)〜ゼロベース思考
発想技術25選(7)〜入替えて発想する
発想技術25選(8) 〜ラテラルマーケティング
<まとめ>
最後に、これまで研究してきた25の発想技法を
私はどのように使っているかを考えてみました。
それぞれを同じように使っているわけではないことに気がついたのです。
発想技法にも、私が使いやすいもの、使いにくいものがあります。
ということで、私は以下のプロセスで発想しているんですね。
【ステップ1】連想技法
まず、ブレストなどで連想できるものを徹底的に洗い出します。
最初に取り組むには、やはり抵抗感が少ないですよね。
【ステップ2】論理技法
連想技法で挙がったアイディアをもとに、論理で補強します。
「他にないか?」「何かないか?」を繰り返すのです。
【ステップ3】入替え技法
私の場合、さらに発想を飛ばすためには入替え技法が使いやすいです。
意外とココで大きな発想転換ができることがあります。
私の場合は、この3つが発想のメインプロセスですね。
しかし、残された「意識転換技法」や「組合せ技法」は、
ステップ3の「入替え技法」を用いている時に使ってみようと思います。
面白い結果が期待できるかもしれません。
皆さんも、ご自身の発想の型を創ってみてはいかがでしょうか?
株式会社シナプス 代表取締役 家弓正彦
Twitter : http://twitter.com/Kayumi
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【関連エントリー】
発想技術25選(1)〜ズラシの技術
発想技術25選(2)〜発想のために整理せよ
発想技術25選(3)〜論理で発想
発想技術25選(4)〜意識を変える技法
発想技術25選(5)〜組合せの技法
発想技術25選(6)〜ゼロベース思考
発想技術25選(7)〜入替えて発想する
発想技術25選(8) 〜ラテラルマーケティング
コメント
コメント一覧
特に、人に紹介するのによさそうです。
ご紹介されたように発想法にもロジカルな詰め方があるので、他人を説得する際のロジックとの区別がつかない人がいます。これはさすがに、「こりゃお前の頭の中だろっ!整理してから持ってこい」と突っ返すしかありません。人の説得と、物事の構成把握、似ていますが、違いますね。プレゼンの話と合わせて聞くといいのかも知れません。
発想法、私の場合、問題の整理までは行くのですが、これで解が出てくることはまれで、いつもさいごの線をつなぐのは風呂の中です...
いつもコメントありがとうございます。
> 発想法、私の場合、問題の整理までは行くのですが、これで解が出てくることはまれで、いつもさいごの線をつなぐのは風呂の中です...
その通りだと思いますよ。
多くの場合、発想は「最適解」ではなくて、
発想されたアイディアをツメていくことで、
最適解に近付けていくものだと思います。
Kay